愛猫ミックは私の下着が好きです。
洗濯して畳んだりしていると目ざとく見つけて奪取。
ブラジャーと格闘を始めます。
面白いのは、ミック王子が国産のブラよりも
フランス製とかのレースが繊細な、補修機能とかないのが好きみたいで
レースに爪をひっかけてブン回します。
さすが王子、お目が高いね・・・。
レースがたくさんついた高い下着を玩具にする
素敵な愛猫にウットリ見とれてしまう秋の夜なのでした。

そういえば、昔、１度だけ下着泥棒に侵入されたことがあります。
以前住んでいたのはアパートの１階で角部屋だったのですが
ある日帰宅するとガラス窓がすごくキレイに半円形に割られていて
その割られた窓が全開に開け放たれておりました。
ちょうど今ぐらいの季節で
風の強い日だったので、カーテンが「降参です！やられました！」と
バッタバッタと揺れていました。
開いた窓から出て行ったらしく、猫は姿を消していました。

部屋はほとんど荒らされていなかったのですが
タンスの一番上の引き出しから下着だけが根こそぎ盗まれていました。

ちょっと気味が悪かったので、私は当時近所に住んでいた夫の実家に行き
事情を説明して、もと夫に少しの間ここに非難させて欲しいと頼みました。
もと夫は思ったよりも心配してくれて
「宇宙人の下着なんて盗むやつがいるのか」
と同情してくれました。
そして、私が落ち着きを取り戻すと
「警察に行こう」
と行ってくれて、一緒に近所の交番に行き、お回りさんに事情を説明してくれて
私はどんな色の下着がどれくらい盗まれたかを交番で用紙に記入して
お巡りさんと、もと夫とともに犯行現場である私の自宅へ向かいました。

「ここが私の家です」
と私は自宅のドアの前で振り返り、おまわりさんともと夫に念を押してから
えいっ！！！！！！！
とドアを開け、リビングを通り抜け、犯行現場である寝室のドアを開けました。
すると、驚いたことに
部屋の中央に、先ほど盗まれたはずの下着がこんもりと山積みされています。
「・・・・・・・・・・・・。」
あまりのことに私は言葉を失いました。
が、警察のかたは非情にも
「これが盗まれた下着ですか？」
と山積みされた下着の一部をつまみあげます。
ひえええ～～～～やめてえええええええ～～～！！！！
と私が言葉も出ずに青くなっていると、
さらに無常にもそのお巡りさんは無線で応援を呼んでいます。
下着は、ちょっとお高い勝負下着のほかに
もう着倒して、穴があいてボロ雑巾のようになったパンツやハラマキなど
絶対に人様には見られたくないものがてんこ盛りでした。
なんとなく、下着ドロが返品した理由もわかる・・・。
そんな打ちひしがれる私を前に
現場検証は行われ、
私は、自分のボロっちくなった恥ずかしい下着を
お廻りさんに「それは確かに私の盗まれた下着です」などと
事前に記入した用紙と照らし合わせなくてはならないのでした。
下着泥棒に恥をかかされたことに比べたら
私の下着で遊ぶ愛猫は１００倍もかわゆい。
だってあの下着ドロみたいに、私の下着を
「こんなん、いらね」
とか言ったりしませんからね！

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