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怪談タマのネズミ退治(続き)


チョット前にタマのネズミ退治の怪談を書いたのですが途中で終わってしまったので続きを行きます。
タマは大店の跡取り娘が飼っている猫でしたが、タマが化け猫で娘に取り付いていると言う噂から店主はタマを殺そうとします。
実はタマは大店の娘への大恩から、大店に昔から取り付いている化けネズミの難から店の者を守っていた猫でした。
「化けネズミをやっつけたいが俺、一匹では勝てないので木戸番の大猫を借りてきてくれろ」と言われ借りてきた木戸番の大猫はネズミも取らず食って寝て稀に人が撫ぜると喉を鳴らすだけの大猫なのです。(化けネズミ退治出来るのか?)
二匹が揃う時に大店の二階から酷い悪臭がして化け猫退治の決戦に猫二匹が上がって行き、「誰も化けネズミ退治が終わるまで上って来ないように」と言い残します。
化けネズミとの決戦は、その音に鳴き声に声とも思えない唸り、威嚇する猫の叫び、呪うようなうめきと恐ろしい啼き!物の倒れる音壊れる音で身の毛もよだつ程。
「化けネズミの利き腕をやって、背中に食らい付いて抑える!」と、言う声にタマが答えて「ありがてぇ!これで化けネズミの急所の喉っ首に食らいつける!」と、返したのが聞こえた。
やがて声も音も啼きも止んで悪臭も消えると店の者は恐々二階に上がっていきました。
二階は襖も障子も壊れて箪笥は倒れ柱には無数の爪あとがザックリ入っています。
二階の最も酷い場所は天上も落ちるかと言うほどでその中に子供の骨が転がっていて店の者は驚いて役人を呼んでいます。
役人が検分すると子供の骨と思ったのは化け物の骨だったのです。
子供体の骨ではありましたが頭の形は大きなネズミの骨で化け物の骨としか思われませんでした。
化け物の骨は右の腕が折れていて、大猫がその腕を銜えて化け物の背中にしがみ付いているのです。
タマはと言えば化け物の喉首の骨に食いついているままです。
タマは可愛そうな事に化け物に食いついたまま事切れて亡くなっていました。
しかし、大猫の方は息が有ったので大事に養生させ木戸番に返しています。
一方、寺に頼んでタマを盛大に供養し、化けネズミも元は、と言えば大店の昔々の主人の罪業で化け物になった者なのでこれも大店の店主は供養しました。
さて、木戸番に戻って来た大猫ですが
ネズミも取らず、ただ食って寝て稀に人に撫ぜられると喉を鳴らすだけの猫に戻って
後に怪異は何も起こしませんでした。

アバター
2012/05/05 22:16
猫の怪談も、このタマのお話もおもしろいです。
アバター
2010/05/24 20:17
こんな昔の話を読んでいただいてありがとうございます♪
古いのに初めてコメをいただけました♪
アバター
2010/05/24 15:26
おばあちゃんの怪談、おもしろいです。
またほかの記事よみにきます



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