久しぶりにレイカはカズマの病院にきた。

「カズマ」

レイカは３１４号室のドアを開けてしばらくカズマを見つめた。

「びっくりだよな・・・こんなんになって」

カズマには髪の毛がなかった。

「薬の副作用でさ」

カズマの目に涙が浮かぶ。

「つらいのによく頑張ったね」

レイカはカズマのそばにイスを持っていってそこに座った。

「ゆうまと別れたんだぁ・・・あたし」

「えっ？」

「カズマが好きだから。ちゃんと向き合いたくて」

「ゆうまはなんて？」

「お前の気持ち大切にしたいって・・・」

「あのさぁレイカ」

カズマが涙をふきながらいう。

「何？」

「俺あと一年で死ぬんだって」

「え・・・一年？」

「ああ」

「手術とかないの？」

「いまの所みつかってないんだって」

レイカが泣き始めた。

「泣くなよな・・・」

「嫌だから。あたし絶対カズマを殺さない」

「ありがと」

「ねぇカズマ・・・あたしと付き合って？」

「えっ？・・・何いってんだお前」

「あたしをカズマの彼女にしてほしいの」

「でも俺は・・・」

「それでもいい」

カズマはレイカを見つめた。

もしこいつと付き合ったら死ぬまでこいつといられる。でも俺が死んだらこい

つは・・・

それはカズマがずっと待ってたレイカからの言葉だった。

「お前とは付き合えないから」

「なんでよ」

「・・・」

「あたしが嫌い？」

「嫌い？俺はお前がすげぇ好きだ」

「じゃあなんで」

「わかってんだろ？」

レイカは黙ってカズマを見つめる。

「俺はさぁ生きられねんだよなぁ」

「もし手術が見つかったら付き合ってくれる？」

「そんなことあるわけない」

「さがすから・・・あたしが」

レイカは病室を出た。

「レイカごめんな・・・」

カズマが言った。

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