私の王子様 21話
- カテゴリ:自作小説
- 2009/04/06 22:54:09
「あたし俊と結婚したくない」
家に来ていた俊に姫菜が言った
「は?」
「俊が憎い。あたしから愛する人を奪った俊が・・・」
「意味分かんねぇ。俺だってお前が好きだ」
「・・・」
「そいつらとお前が一緒にいたいって思うように俺はお前と一緒にいたいんだよ」
姫菜には何も言い返せなかった。何よりも分かってる事だったから・・・
「じゃあ今日は帰るわ。でも正直お前が傷ついているのをみるのはつらい」
俊はそう言って姫菜の部屋を出た
「あら俊様」
姫菜の義理母が言った
「こんにちわ」
「うちの姫菜をよろしくね」
「・・・彼女は俺を愛していません」
「えっ?」
「彼女の幸せを願いたいです」
俊は笑顔でそういった
「俊様待って」
「はい?」
「あの子を幸せに出来るのはあなただけなの・・・お願い」
「大丈夫ですお母様。俺もそう簡単にはあきらめませんよ」
俊の後ろ姿をみながら姫菜の義理母は手を握りしめた
「姫菜」
義理母が部屋に入る
「何かよう?」
姫菜が鋭い目でにらみつけた
・・・バシン
姫菜の頬を義理母は強くたたいた。姫菜はそっと手を頬にあてる
「俊様に不安な顔をさせないでちょうだい。寿命が縮まるわ」
「あなたはあたしの事何も考えてくれないのね」
「明日」
「えっ?」
「明日俊様と正式に婚約します」
「どういう事?・・・聞いてないわ」
「俊様は日本一の凄腕の持ち主よ。うちも助かるわ」
「・・・」
否定できない自分が大嫌いだった



























