あたしはその日俊と婚約したんだ・・・

次の日のテレビや新聞はその事ばかりだった

「姫菜」

「ちひろ？」

ちひろが笑顔でうなずく

「久しぶり」

「ちひろぉ」

２人は心友だった

「パリはどうだった？」

「最高よ。仕事で遊べなかったけど」

「そう」

「それより」

ちひろが真剣な目で姫菜を見つめた

「俊と婚約したって本当？」

姫菜は静かにうなずいた

「俊ってあんたの事好きだったもんねぇ」

「嫌なの」

「えっ？」

「婚約なんてしたくなかった」

「じゃあなんで？」

「あの人のせいよ」

「お母様？」

「あの方はお母様じゃないわ・・・悪魔よ」

「そっか。姫菜も恋したか」

ちひろは紅茶を一口飲んでそういった

「・・・」

「あたしはいいなずけなんていらない。あそこを継ぐのはあたしだから」

「ちひろは恋した事あるの？」

「失恋っていうのかなぁ・・・」

「ちひろが日本に戻ってきてくれてうれしい」

「なんでもいいあえるやつがいないと駄目じゃん？」

「そういえば・・・」

姫菜はちひろの横に座った

「あたし友達ができた。その子があたしの好きな人の彼女なの」

「それって利用されたってやつ？」

姫菜はうなずいた

「姫菜入るぞ」

俊が入ってきた

「俊？」

ちひろがいった

「久しぶりだな」

「そうね・・・」

俊はちひろの初恋の相手だった

ちひろはいつでもあたしとの友情をとって今も無理に笑ってて・・・

わかったんだ。ちひろは今でも俊が好きなんだって

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