☆初恋 1話☆
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/06 17:23:27
「お隣さん今日くるんだって」
「興味なーい」
あたしは朝食の食パンをくわえながら、
呟く。
ピンポーン
「あら、誰かしら。奈緒出て」
「えーめんどくさい」
あたしは最後の一口を食べ終わり、
玄関をあけた。
綺麗な女の人の隣にいたのが、
君だった。
中学校1年生の夏休みに君に出会った。
「隣に引っ越してきた大西です。よろしくお願いします」
「あらっお隣さん?」
ママも出てきた。
「あっ大西です、よろしくお願いします。これつまらない物ですが・・・」
綺麗な人はそう言って、
私達に紙袋を差し出した。
「ありがとうございます」
ママが言った。
「この子、裕也って言うの。中学校1年生だから、仲良くしてあげて?」
同じ年だ・・・
「あらっ、うちの子と同じ年だわ。ほらっ奈緒ご挨拶して」
「えっ?えっと・・・よろしくお願いします」
大谷裕也。
なんかちんまりした感じ。
恋愛対象ではないな・・・
ってそこじゃないか。
そいつはあたしに、
無愛想に頭を下げた。
それが裕也とあたしの出会いだった。