☆初恋 9話☆
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/07 23:50:18
あたしは憂鬱な足取りで教室に入った。
華音・・・裕也の事知らないみたいだったのに、
あたしは席に着く。
「あっ奈緒、おはよ」
華音があたしに話しかける。
「おはよ・・・」
華音は純粋な笑顔をあたしに向ける。
「華音・・・」
「何?」
「華音って・・・裕也と付き合ってるの?」
「・・・うん」
「なんだ、知らないっぽい反応してたのに」
「あははっ、ごめん。だって・・・奈緒・・・」
あたしの事知ってるの?
「何?」
「奈緒、あたしの事は知らないの?同じ中学校だったのに」
え?
頭がこんがらがる。
今井 華音
そんな人いた?
クラスは14組まであったし、
確かに知らない人もいたかもしれないけど・・・
「同じクラスなった事ないよ」
やっぱり・・・
でも華音くらい可愛かったら噂になっても無理ないのに・・・
「仲良かったよね、奈緒と裕也」
「まぁ・・・」
「あたしは知ってたよ」
「えっ?」
「奈緒の事」
「裕也とは仲良かったの?裕也・・・大阪に引っ越したのにどうやって知り合ったの?」
「ほら、裕也。直樹と仲良かったじゃん?あたし・・・直樹とは幼馴染だから。春休みだよ?裕也が帰ってきたの。裕也の事好きだったの。中学んとき一回助けてもらった事があってね?あたしびっくりしちゃった、だって裕也・・・すごいかっこよくなってたから」
「そうなの・・・」
「奈緒と裕也は勝手にできてるんだって思ってたんだけど・・・」
「・・・うん」
「春休み、告白したらあっさりOKしてくれちゃって」
「えっ?」
「直樹に聞いた話だと、裕也そーとー遊び人らしいよ?あたしも遊ばれてるのかも」
そんなはずない。
裕也は・・・そんな奴じゃない。
「でもいいの、あたし裕也の事好きだから。遊びだったとしても何もないよりましかなって」
そう言った華音があまりにも可愛くて・・・
あたしは何も言えなくなった。
わかんない・・・
わかんないよ、裕也。
裕也との思い出は全部夢だったのかな・・・
「奈緒・・・奈緒は裕也とはどーいう関係だったの?」
「なんでもないよ」
あたしは言った。