☆初恋 11話☆
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/08 09:44:20
あのまま告白をOKしちゃった・・・
昼休み直樹はあたしのところへ来た。
「奈緒~一緒にお昼食べようぜ」
「あれー?奈緒ぉ?どういうことぉ?」
華音が聞いた。
「・・・いや、あのね」
「俺ら付き合ってますから」
裕也がその言葉に反応したようにこっちを見た。
「軽い女」
「えっ?」
振り向いた時には裕也は又、
机にうつ伏せになってた。
でも確かに今・・・裕也、
あたしに『軽い女』って言ったよね?
「華音、直樹と2人で食べてもいい?直樹と話したい事あるし」
「全然問題ないよぉ~、じゃああたしは裕也と食べるから」
「うん、ごめんね」
あたしは直樹と中庭に向かった。
ベンチに座って、お弁当を広げる。
「うわっうまそー」
直樹が言った。
直樹は売店のパン・・・みたい。
「直樹も作ってもらえばいいじゃん」
「いや、俺ん家共働きで忙しいからさ」
「そうなんだ・・・」
「暗い顔すんなって、今時そんなの当たり前だぜ?」
直樹が笑いながら言った。
「直樹・・・」
「何?」
「あたしの事好きなの?」
「好き、すげー好き」
「なんで?今まで接点なかったのに」
「いや、中学のときお前裕也と仲良かったじゃん?裕也がいっつもお前の事話してたんだよ。どんな奴なんだろうって気になっててさ。初めてお前と話したのいつか覚えてる?」
「いつだっけ?」
「体育祭の時だよ、お前保健室にいて。今先生いないからって俺の手当てしてくれたじゃん」
「あぁ・・・なんかあったね」
「俺、あん時からお前の事気になり始めて。何度か話すうちに好きになってた」
「そうなの?でもあたし・・・」
「わかってる」
「へっ?」
「俺の事好きじゃないだろ?」
あたしは何も言えなくて俯いた。
「いいよ、少しずつ俺の事好きになってくれればいい」
いい人だな・・・直樹。
好きにとかなれるのかなぁ、
「じゃあ、行くか。もうそろそろチャイムなるぜ?」
「うん、そーだね」
あたし達はベンチから立ち上がった。
「じゃ、又あとで」
「待って」
あたしは立ち去ろうとする直樹の手を掴んだ。
「明日、お弁当作ってくるから」
直樹は驚いた顔をしたけど、
笑顔であたしに
「楽しみにしてる」
と言って教室に戻った。
大丈夫・・・好きになれる。
そんな気がした。