Nicotto Town


錆猫香箱日和


猫とグルメ

我が家の王子様ミックのフードを切らしそうになり、慌てて病院に駆け込む。

愛猫ミック様は病院で購入する健康フードしか召し上がらない。

ロイヤルカナンというメーカーのものが常食なんだけれど、2キロ¥3000。

コシヒカリやらあきたこまちなみに高いフードだと驚く方もいるかもしれないが

我が家の女王猫、サビ様が存命だった頃は、サビ様はもっと高いものを

召し上がっていた。

彼女は晩年は糖尿病と腎不全を患っていたので、病院で購入する療養フードしか

食べることが許されていなかったので、私は彼女のために2キロ¥5000もする

フードを購入していたが、生後2ヶ月のミックを拾って家に帰ると、サビ様はこの

捨て子を不憫に思ったらしく、お腹をすかせた捨て子に優しく自分の療養フードを

薦め、かわりに自分が子猫用フードを食べて具合を悪くしたりなさっていた。

王子が健康フード好きになったのは、サビ様のこうした幼児教育の賜なのです。

ちなみに2歳♀の黒猫まめ嬢はボランティアの人に保護されてから1年もの間

貰い手がつかず、いろんな人のおうちを渡り歩いた苦労人ゆえか、出された

ものは何でも食べる。王子に出したものまで奪って食べる。

王子もまめちゃんにご飯を奪われても何とも思っていないようなので、

彼女の気の済むようにさせている。

まめさんを最初引き取った頃は食べ物に対する執着は凄まじいものがあった

けれど、安住の地を得たことで気持ちも落ち着いたせいか、以前よりも

ガツガツしたところがなくなり、人間不信も少し治ってきたように思う。



猫の食べ物に対する嗜好は、育ってきた環境や飼い主(下僕ともいう)の

猫に対する奉仕の精神を色濃く反映していると思う。

作家に猫好きは多いが、『お猫様に奉仕する』猫好きは特に多そうだ。

例えば、戦後活躍した評論家、坂本志保の猫ポツダムは



『敗戦猫だけあってちゃんといつのまにか全ての良い物、美味いものは

全てマッカーサー給与であることを知るようになり、アメリカの客が来ると

ちゃんと行儀良く正面に座って、一挙一動に注意して (中略) 外国の 

物はとにかく一応文句なしに自分で試食してみることに決めたらしく、

何でも頂いて味見をする。ベーコン、七面鳥、チーズ、酢漬けの玉ねぎ、

キャビアなどから始まって、ビスケット、キャンデー、オリーブ (中略) 

時に気に入ったのはベーコンの入った黄色いチーズで、だまっておけば

20匁位ペロリと食べてしまう                         』


開高健の猫達も、アジの水煮やカツオの常食の他に、ヨーカン キャラメル

手焼きせんべいの他にフランス産のロックフォールチーズなどを食べていた

そうだし、ヘミングウェイの猫は、オイルとビネガーのドレッシングがたっぷり

かかったアボガドや冷たいマンゴーを好んで食べたという・・・。

猫の好きなものといえば魚ばかりを思い浮かべてしまうけれど、変わった

嗜好を持つ猫は案外多いのかもしれない。




魚といえば、先日驚くような話を聞いた。

東南アジア諸国の輸入食料品を買い付ける仕事をしている知人の話。

「俺、東南アジアの国でレストラン入って魚食えないんスよ。

海の魚は食べれるんですけど、川は絶対ダメです。サビさんも川魚食うのは

やめたほうがいいス」

「それなんで?東南アジアのレストランで川魚っていったら高級じゃない。

旅行しててお金があったら美味しいもの食べたいけどなあ」

「いや、悪いことは言わないからやめたほうがいいス。

俺、見ちゃったんスよ」

一体何を見たのか、詳しく話を聞いてみるとこういうことだった。




彼は東南アジアの農家の豚舎でそれを目撃した。

豚舎の下が池になっている、ということにある日彼は気づいた。

さらによくよく細部まで豚舎を観察していると、豚のちょうどお尻の下のほう、

ちょうど豚のウンコが落ちる部分の床がどうやら可動式になってるらしい。

「あの部分は何故動くようにできてるんだろう」

と、興味深く観察を続けていると、その床がとても合理的な目的のために

できていることが判明した。

豚のウンコでいっぱいになったその稼動部分の床は、時間がくると

下の池になってる側に床が折れ、池にバラバラと豚のウンコが落ちる仕組み

になっていた。で、池には魚が飼われており、豚のウンコはそのまま魚の餌に

なる。で、その豚のウンコを食べて育った魚は、豚を出荷する時に

豚と一緒に出荷される。もれなくセット販売なんである。

「俺、それ見てからあっちで川の魚食えないっス」

そら、そうだ。

多分私ももう食べられない。

しかし、スゴイな。日本でこんなんやったら大問題で大騒ぎになるだろう。

でも放射能垂れ流した海で泳いだ魚に比べたらまだ安全なのか・・・?






生物の循環を利用した合理的な飼育だとは思うけど
個人的にはちょっとひくかも・・・。

#日記広場:ペット/動物





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