欲望 18話
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/02 09:19:34
雅は何も言わなかった・・・
言わなかったっていうより何もいえなかったんだろう
「あたし杉原の事まだ好きだったんだ・・・。それに雅のことは男としてみれない、あたし今まで雅を騙してたの。ももかを裏切りたくて、最低でしょ?殴っていいよ?別れたいでしょ?だから・・・」
「知ってた」
あたしは雅の予想外な言葉に耳を疑った
「えっ?」
「お前が俺に本気じゃないって・・・キスにも心がこもってなかったし。こいつまだ杉原が好きなんだなって思った」
「怒らないの?」
「俺はお前の傍にいれることがすげぇ幸せだ・・・」
「どういう意味?」
「心がなくったって俺がお前を好きなのはまじだから」
「信じられない・・・」
「えっ?」
「好きなんて言葉なんか信じられない。好き?そんなに軽々しくつかって・・・あたしが好きだ?信じられないの、あたし」
また涙が出る
なんの為に出た涙なのか自分でもよく分からなかった。
きっと・・・雅を裏切った事が辛かったんだと思う
好きなんて言われなくても雅はきっとあたしに本気だ・・・
なのにあたしは無神経に何をいっているんだろう
「ごめん・・・」
雅はあたしに言った
なんで謝るの?
謝らなきゃ駄目なのはあたしだよ?
「馬鹿」
あたしは言った
「・・・」
「雅の馬鹿ぁ」
あたしは泣きながら雅を叩いた
でも雅は何も言わずあたしをただ見つめてた。
雅はかっこいい。あたしなんかつりあわないよ・・・だからあきらめなよ
本当は誰よりもわかってた。
あきらめるなんて無理・・・
ほらみんな言うじゃん。
恋愛っていうのはきっと誰かが幸せになって誰かが傷つくって・・・
傷つくのってあきらめられないからでしょ?
杉原もあきらめられない。
このころは分かんなかった・・・
誰かに愛されるという喜びが・・・
誰も思ってくれないという悲しみが・・・
好きなんて簡単にいわないでよ?
あたしはこの言葉でたくさんの男を落としてきたのに?
ほんと笑えちゃう




























私もそーゆーコト、あったから…