雅は家まであたしを送ってくれた

その間あたし達は無言で・・・

「おはよ」

あたしはいつもどおり教室に入った

「可奈」

雅が言った

「・・・何？」

あたしは雅の顔を見ずにいった

「話がある・・・」

「・・・」

あたし達は教室を出た

「話って？」

「・・・」

「どしたの？」

「別れよう」

雅が言った。あたしはおもわず雅を見た

「えっ？」

「・・・」

雅はそれ以上何もいわなくて・・・

「何で？」

「ごめん・・・」

「あたしが嫌いになった？」

「違う・・・」

「じゃあ何？」

「お前は杉原だけを思え」

その時あたしは気がついた。雅の肩が震えているのを・・・

「俺ももかと付き合おうと思ってる」

「なんで？」

「・・・」

雅が言ってくれなくてもあたしにはわかった。

雅はまだあたしからの愛を求めてるんだって・・・

そしてあたしを愛してくれてて、あたしの事を思って別れようって言ったんだって

別れたら杉原と付き合いやすいから・・・

でもそれは間違いだよ？

杉原はあたしを好きじゃないもん

「いいよ。別れよ」

あたしは雅にそういって教室に戻った・・・ううん

戻んなかった、陰で雅を見てた

雅は泣いてた。

泣かせてごめんね・・・

雅が泣いてるのを見ると胸が痛くなった。

そしてあたしはこの時わかったんだ・・・

人を愛すと言う事はその人の事を一番に考える事

諦めるというのはこういう事なんだなぁ・・・ってさ

「ありがと・・・雅」

きっと雅はいままで出会った人の中で一番ステキな人。

どうして雅を好きになれなかったんだろう・・・

この時はすごく自分が嫌だった。

でも雅と別れた事を後悔する日が来るなんて思ってなかった。

人の心がこんなに単純だとも思わなかった。

そして人を本気で愛すという事もわかんなかった

あの日までは・・・

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