＜初彼＞・・・かな

断れるはずもなく・・・

初めての彼氏。しかも超イケメン超モテる翔矢。

本気？

何よ・・・本気って、初めて恋できたのに。

啓太と恋出来たと思ったのに、あたしに伝えられた事実は・・・これですか

あ～あ、神様ってほんとにいるんですかぁ？

「おはよ」

みゆ・・・なんて言えばいんだろ

「かなおはよう」

朝からムカつく顔見た。こいつが彼氏ってまじですか？

はい・・・まじなんです

「おはよう」

力いっぱい悪意を込めて言ってやった。

でもみゆになんて説明するか・・・不安がいっぱいだよぉ

「あっそうだ、かな明日暇？」

「明日？」

「初デート。遊園地でも行かね？」

「えっ？」

みゆの弱々しい声・・・ヤバッどうしよ～

「2人とも付き合ってるの？」

「いやっ・・・そのぉ」

「おぅ。俺の新しい彼女」

クラスの女子がいっせいにあたしを睨んだ・・・うわっこわいし

「えっと・・・みゆこれはね」

「言ってくれてもよかったじゃん」

「ごめん」

「同情なんかいらないから・・・」

みゆが教室を飛び出した

「みゆっ」

あたしはみゆを追いかけた

「みゆ待って」

みゆが止まった

「協力するって・・・いったよね？」

「えっ？」

「あたしかなの事大好きだったのになんで裏切ったのよ。ねぇ教えて？なんでなんでなの？」

みゆはあたしをバンバン叩いた

「殴っていいよ・・・」

あたしは言った

「あたしは翔矢の事好きじゃない」

「じゃあどうして？」

「ねぇみゆ。あたしみゆのために頑張るから・・・絶対別れるから」

自分で言って笑いそうになった。何このセリフ・・・

泣きたいのはこっちだよ

「みゆごめんね。ほんとごめん」

「もういいよ・・・かな」

「えっ？」

「絶対許さない」

みゆは教室に戻っていった。

もう嫌・・・翔矢なんか大嫌い。

あたしはその場に座り込んで泣いてた・・・

なんで？なんで偽者の愛に本物の友情とられるの？

教えてよ・・・誰かあたしに教えてよ

「あれっ？かな？」

あたしは振り向く

「啓太・・・」

「どうした？」

あたしの目の前にしゃがんであたしの涙を拭いた

あたしは啓太に抱きついた・・・好きだよ。

啓太の優しさが嬉しかった。

「俺の女に何してんだよ」

翔矢だ。

翔矢は啓太を殴った

「やめて」

あたしは涙声で言った

「なに？泣いてんの？啓太に泣かされた？」

「俺の女ってどういう意味？」

「こいつ昨日から俺の彼女なんだよ」

「は？まじ？」

あたしは啓太から目をそらした

知らなかったよ。

恋があたしたちの関係を崩した・・・バラバラのパズルみたいに

あたしはそんな恋ほしくないよ

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