Nicotto Town


錆猫香箱日和


2013 夏の子猫祭り 後編

都内の駅のマックの店頭で

あんなにおとなしく良い子だったチェロ皇太子殿下は

我が家に来た当日に 早くもサビ猫家に君臨してしまった。



もう、問答無用で暴れまくる・・・。



この暴君に王子とまめ嬢はすぐにギブアップした。



驚いたことに、あのハナッパシラの強いまめ様が

チェロさんに喉笛を噛まれたまま顔を連続でケリケリされても

黙ってされるままになっているではないか。

そしてまめ嬢を解放したチェロさん、

今度は王子を追いかけて飛びつきまくる。

知らない子猫に自分の家でいきなり追いかけまくられ

パニック状態の王子。

我が家に来たばかりでチェロさんはまだロフトの階段あがれないので

王子君をロフトに避難させる。

興奮さめやらぬ王子に、先に避難していたまめさんが

「王子ニイたん、ビックリしたわね~!」

と後ろから近寄り声をかけると

まだパニクったままの王子君

振り向いて まめさんに「シャーッ!!!!!!」

って・・・・・・「あ、ままままま、まめちゃん?」

今度は違うパニックが王子君を襲う。

そんな王子君に間髪いれず、まめさんの必殺パンチが・・・。

まめちゃん・・・子猫には顔ケリケリされても無抵抗なのに

王子君にはシャーで(しかもかなり小さめのシャーだったぞ)

必殺パンチ?それってひどくない?

あ、まめ様、そのチェロ君を見守る優しい目つき・・・

母性に目覚めたのね!!

んで、王子よりも子猫のことが可愛くなってしまったのか・・・・。



可哀相な王子君はこのあとしばらく人間用のトイレの便座のうえで

6キロの巨体を縮ませ、しばらくいじけておりました・・・。



しっかりしてください王子、あなたが第一王位継承者なんですよ?



え~?

でもあの坊主やんちゃ過ぎますよ~!

いきなり僕たちだけに子守りさせるなんて

かあさん、ちょっとズルくないですか?



あ、そうだね ゴメン、ゴメン。

じゃあ王子君達の負担を減らすため

みんなで役割分担してチェロ君の子守をしようね。


まず まめさんは   鬼ごっこ 追いかけっこ プロレス

わたくし かあさんは  玩具担当 添い寝

王子君は?


僕は・・・気の向いた時だけ追いかけっこに参加します

プロレスになったら逃げます・・・・・。

あとこうして、横倒しになった箱に入って・・・

かなり箱がぎゅうぎゅうですけど、

このまま箱に入って 寝たままひたすら待ちます。 

で、この箱の近くにあのお子がきたら

こう、箱からニュッと前脚を出してビックリさせてあげる。

こういう遊び、子供は喜びますよ。



ウツボみたいだね・・・それじゃあ子守りじゃなくて篭りだよ。



へい、おあとがよろしいようで・・・・。

ところで かあさん、かあさんはもうひとつ大事なお仕事がありますよ。


え?わたしの仕事って?



掃除に決まってるじゃないですか。

かあさん最近ダラケすぎですよ。

最近本が床にそのまんま山積みになって洋服もそこらに脱ぎっぱなし

もうルンバ動かせない状態ですよね?

飲んだあとの一升瓶はそのへんにゴロゴロ転がってるし

ブッ壊れた扇風機とかブッ壊れたランプシェードが

ずっと部屋の片隅に放置されたまんまだし

だいたい どうして掃除機がベッドの上にあるんですか?

かあさん、このままこの部屋で子猫が走り回ってたら危ないです。

危険物を撤去してお掃除してください。

カビやホコリも子猫の健康に良くないので 徹底的にね!



そ、そうだね王子君・・・さすが第一王位継承者!!

かあさん掃除だいっ嫌いなんだけど

チェロ君のためにがんばるんば~!!



というわけで、子猫祭りとともに始まった掃除祭り・・・・。



いや、それがもうね、子守り以上に大変。

なにせ、最後にこの部屋掃除したのがいつだったか覚えてないもんね。

とにかく、かれこれ一週間以上

来る日も来る日もお掃除にあけくれたわたくし・・・・・。

フローリングの床を覆っている 本 服 酒のビン 

その他よくわからんガラクタをひたすら撤去し ゴミ袋に詰め

モノがなくなってだんだんフローリング部分が露出されてきたら

その床を吹き掃除。

床をゾーキン濡らして拭き掃除してるところをチェロ殿下が

面白がって見物に来るので

その都度チェロ様のおみ足を拭かせて

あんよをキレイにさせていただくという手間も・・・・。

とにかく 捨てまくって 捨てまくって

100均で売ってる70ℓのゴミ袋、30枚分くらいは捨てたと思う。



掃除しながらさすがにへコんだ。



こんな私のようなダメ人間が、あんな大事にされてるお子を

勢いでいただいてしまって良かったのか?

あのまま事務所で保護されていたら

私なんかよりもっともっとちゃんとした良い家族にもらわれていたかも

私がなーんも考えなしに引き取っちゃったから

ウチの王子君とまめさんも子守に疲れてるみたいだし

私のバカバカバカバカ~~~~!!!!!

みんなゴメンよ~!!




かあさん、僕たちが子守りしてるから 泣かないで掃除してくださいね。


はいっ、がんばります!!




ってそんな掃除に明け暮れる日々でしたが

3日目ぐらいにはもう大人猫2匹も子猫のチェロさんの扱いに

すっかり慣れて

特にまめさんは、「遊ぶのが面倒な時は可愛がって甘えさせてあげる」

というまるで銀座のママのような上級テクをマスターしてました。

うーん まめさんに母性本能があったていうのがビックリだなあ・・・・。



さ、頑張って君たちのために一週間かけて掃除したよ!!

存分に駆け回って遊ぶがいい!!



かあさん、よく頑張りましたね。

でも、何か忘れてますよ・・・・。

あのキッチンのガス台にずっと乗ってる赤い鍋、

あれって、母さんが

お婆ちゃんが亡くなる前日に作ったカレーですよね?





うん・・・

婆ちゃんがあんなにいきなり死ぬってわかってたら作んなかったよ

別に忘れてるわけじゃなくてね・・・・

あれから一週間、このジメジメした気候で

中のカレーがどんな状態になってるか・・・・

想像したら怖くてとても開けられないのよ~!

王子君、どうしよう~!!




かあさん、その鍋を片付けないと任務は終了しませんよ。

さあ、頑張って!!




キッチンの食器棚のうえから3匹に見守られて

私は婆ちゃんが亡くなってからずっと放置していたカレーの鍋を

勇気を出して開けてみた。

すると・・・・

カレーがどんなグロイ見た目になって

どのようなすさまじい臭気を放ってくるかと思いきや

予想を裏切り、一週間ぶりに見たカレーは

表面に均一に薄っすらと白い衣を纏い

まるで品の良い夏の乙女のような装いだった。

しかも、きっとこの暑さで発酵しているのであろう、

熟成が進んだチーズのような芳醇な香りがした。



あの、これ、何だか美味しそうなんですけど・・・・。



3にゃんが口を揃えていいました

「かあさんなら食べても死なないかも~」



あら、あんたたち いつのまにか息がピッタリじゃない(^^)





それからさらに一週間経った現在

王子とまめさんがチェロ殿下を上手にあしらえるようになったのはもちろん

チェロ殿下のほうでも

王子やまめさんがゴハンとおトイレしてる時は飛び掛らない、

その時々でふたりのうち都合がよさそうなほうを選んで遊んでもらう

王子がかあさんに甘えてる時は遠慮する、

などなど、大人猫との付き合い方を理解したようです。

3匹はすっかり仲良しになりました。


そんなチェロ殿下の写真を 何枚か別館にアップしたので良かったら

ご覧ください(^^)





http://blog.goo.ne.jp/sabineko0827tomo610




































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