Nicotto Town



五月雨、輪廻

掴んでは離さないなんてよく言えたものだね
さよならなんて言葉は届かなくて
冷たくなっていくその四肢を抱きしめてるだけ
この頬にはうたれる雨にまぎれた涙の筋が通る

声を殺して泣いては君のいない世界で
戻らないのに 還らないのに
君のいない世界で私は君を慕い続けるだけ・・・

 嗚呼…君のいない世界で何を思うても
 君には何も届かないと分ってるのに
 返事のないか細き四肢を抱きしめても
 ゆらりすり抜けていくのは僅かに火照る熱

進む薇じかけのオルゴールみたいに
くるくる同じ場所で回り続けてるのかもしれないね
頒たれた後に寂しくなって雫を落としても
もうこの雫を拭いてくれる君は何処にもいない

幸せな時間だけじゃないことは
分かっていたはずの世界は
こうも過酷で引き裂いたふたつの轍は
二度と交わることのない縁(ゆかり)

 嗚呼…君のいない世界で何を思うても
 君には何も届かないと分ってるのに
 返事のないか細き四肢を抱きしめても
 ゆらりすり抜けていくのは僅かに火照る熱

土に還って、空へ飛んで、捲り巡って君のもとへ
愛された記憶だけが脳裏に遺る置き土産
いつか、止んだ雨上がりに浮かぶ渇いた寂しげな笑み

 嗚呼…君のいない世界で何を思うても
 君には何も届かないと分ってるのに
 返事のないか細き四肢を抱きしめても
 ゆらりすり抜けていくのは僅かに揺らぐ灯火





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