Nicotto Town



愛花月夜 その1

 お久しぶりです。
この度久しぶりに愛花月夜という曲をリリースしました。
愛花月夜とかいて「うのはなづくよ」と読みます。
この曲は卯花月夜(うのはなづくよ)という単語を主題としておき、春の失恋ソングとして書き上げました。実際にはその昔、想太さんが手掛けられた歌愛ユキの「いかないで」という曲から物語を展開させて作成したシリーズの最終章となる曲になります。
この作品を投稿する以前より「いかないで」、「花」、「愛が曖に変わってしまう前に」と三作品を綴っており、数年ぶりにこの楽曲の物語に終止符を打つかたちとなりました。

 自分が昔描いてきた恋愛事情を吐露するかたちでいろんな楽曲で自分の恋愛事情を物語ってきましたが、実際この曲を最後になにか自分の中で腑に落とせるものになったんじゃないかと感じています。
この楽曲では一部市川拓司さんの作品「僕らは夜にしか会わなかった」から引用を用いています。
僕は昔から市川拓司さんの作品が好きで、『今、会いにゆきます』、『そのときは彼によろしく』といった名作をえがかれてきていて、学生時分の頃より自分の愛読書としてずっと読んでおりました。
 実際に楽曲の二次創作といったかたちで、他の方の作品をモチーフにサンプリングで歌詞を引用したりだったり、テーマを汲み取った上で自分の作品の一つとして落とし込むことはありましたが、今回は自分が書いてきた歌詞の中でも完成度の高いものになったんじゃないかと実感しております。

 市川拓司さんの手掛けられる作品はどれも現実味を帯びているようで、でもどこかにふわっと浮かされているようなロマンスを綴られるのが上手な方だなと思いながら読んでました。
個人的には「そのときは彼によろしく」が一番好きな作品で中学生から高校生のときは愛読書のひとつとして、読み耽っていた思い出があります。この作品は読み終えたときに少し心に一抹の寂しさを感じるけれど、それもどこかスパイスで心がほんのりとあたたかくなるそんな印象です。
皆さんも機会があれば読んでみてください。

 そんな市川拓司さんの作品の中から、今回「僕らは夜にしか会わなかった」を題材にお借りしつつ、離れ離れになった男女の恋愛を描きました。内容はネタバレをあまりしたくないので、深くは掘り下げませんが、「天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心から笑ってほしくてぼくはある嘘をついた――。」というのがこの物語の簡単なあらすじになります。
 そんな物語に自分の恋愛観と自分の過去、今までに紡いできた歌詞を織り交ぜてできあがりました。

 「いかないで」で出会い別れる男女の心情を歌い、「花」離れ離れになった男性の心のかたちを描き、「愛が曖に変わってしまう前に……」で対象的な女性側の心情を吐露しました。
結局また出会えてハッピーエンドというかたちが一番、素敵なのかなとも考えてずっと悩んでいました。
今あげたこの曲達は元々、知り合いのmaidenというラッパーとの共同制作にて綴ってきた作品となります。ですが彼が失踪をシてからというもの、自分だけで完成するまでの間に苦悩を続けてきました。
 この作品の終止符を自分だけで終えるのはちがうんじゃないかとか、彼の作品でもある以上自分だけの思いを綴るのもちがうんじゃないかとか、彼が音信不通となった2017年頃よりずっと待ちぼうけを続けたまま、作品への思いが拗れて手がつけられなくなっていました。

 ですが先日とあるイベントに行った時に、アーティスト達の熱に浮かされてその日を待っていたかのように、筆が進むようになりました。その共同制作者の彼の想いを綴るように、同性ではあれどその想いをしたためる恋文(ラブレター)のように。
そこから歌詞が出来上がってからは公開までは一瞬の出来事のように、風が吹くように物事は進み本日公開するかたちとなりました。

 数多の作品からインスピレーションをもらい、自分の人生観も織り交ぜ、そして物語というフィクションをなぞり、自分の伝えたいことが伝えられたんじゃないかと実感しています。
少しばかりこの歌詞の中の内容を紐解かせていただくのですが、この曲のサビで何回も繰り返される「俺が愛した女の名前は」という部分。
『女』の概念は皆様の大切なものに置き換えて聴いて頂ければいいのかなと。
 歌詞の中に暗い表現をしている部分が多々ありますが、この曲の主人公の感情として、「また君にあった時 抱いた愛が違っても 浮き彫りな心の表面張力 いつまでも君に幸あれと願う」と歌詞にしました。
 この歌詞の表現として、自分が別の女性と交際することになったり、その結果結婚して子供が出来たり、別れて離れていった愛のかたちが変わっても、未だ好きという気持ちを、相手の幸せを願えることが別れた相手への最大の愛情表現なのかなと、自分は感じました。
ただこれに関しては自分の人生の経験則なので、これが聴いてくれたリスナーにどう刺さるのかは、捉え方次第だと想うので皆様の解釈に置き換えてもらえればいいのかなと思ってます。
それを考察してもらえることこそ、作家冥利に尽きると感じておりますゆえ。

共同制作者のmaidenへの想い、このシリーズの主人公にあたる男女共の感情の気持ち。
それが上手いこと当て嵌めることが出来たので、このシリーズとしてはこれが幕引きになります。

 もしまたこの曲について、想うことが出てきたり思い出せたら、また気分転換として記事にしようかなと思います。
今回はここまでということで終わりにしようと思います。
皆様もよければ、お時間があるときに、お手隙の際にこのロマンスを聴きに来てください。


ありがとうございました。



今回紹介した楽曲
愛花月夜 feat.ALTERNATIVE THEO

http://soundcloud.com/unohanadukuyo

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2024/03/10 17:13
愛花月夜 feat.ALTERNATIVE THEO

Track:MORHINE
Lyric:ALTERNATIVE THEO
Additinal Lyric:maiden(鵺/花 feat.maiden)
Mix:弐樂 (@jiraku8)

Sp thx:市川拓司,『ぼくらは夜にしか会わなかった』,
.    maiden,弐樂,七篠汐璃,NO TITLE.
.

Episode
いかないで feat.maiden
https://soundcloud.com/yorunotori_nue/donotgofeatmaiden

花 feat.maiden
https://soundcloud.com/yorunotori_nue/hana_feat_maiden

愛が曖に変わってしまう前に……。/鵺 with maiden
https://soundcloud.com/yorunotori_nue/before-love-changes-to-myself




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