Nicotto Town


はいどあんどしーく


お題 リズム タイトル スキップ


          スキップ


「誰にも教わらずにスキップが出来る人はどう考えても幸せである」
子供の頃はそう思っていました。


物心がまだまだの幼稚園。
スキップが出来る彼らは、元々備わっているリズム感で、お遊戯の主役をゲットだ。
スキップが出来ない不器用な自分は、当然その他大勢の役に甘んじる。
しかもそれすら満足に出来やしない。

そんな彼らは6歳の時点で、2歩も3歩もリードしている。
4月から小学校に通い始めて、5月には早々にクラスの人気者だ。
彼らは先生や同級生に対して、どの様に接すれば良いかを何となく理解して居るからね。
そしてまだスキップが出来ない自分は、だから体育で逆上がりも出来ない。
間抜けなので、先生を「おかーさん」って呼んでしまう始末だし。

中学生になった。
不器用な感じだが、さすがにスキップは出来るようになったよ。
しかし彼らはより進歩している。従ってその差は以前より大きい。
彼らも自分も一緒に県営プールに行く。
当然自分は学校指定の名前の入った水着。
しかし彼らはカラフルでお洒落な水着、なんかもう大人だよ。

頑張って目指した高校に入学。
彼らは華々しい学園生活をエンジョイ。
こっちも色々な目覚めの自覚はあるのだが、だからと言ってどうにもならない。

そこそこの大学に入り、そこそこの彼女が出来た。だからそれなりに満足。
さすがに彼らの一部も色々な苦労をした筈なんだが、結果的にミス○○大が彼女だったりするよね。

食う為に就職した。
数年を費やして、なんとか一人前になった。
そこで久々にスキップをしてみたさ。
昔のままだよ、華麗なステップには程遠い。
でもそれで良い。伴侶となる人も似た感じだし。

彼らはどうしたかって?
実はもう良く知らないんだ、でも生き方が上手いしきっと良い感じだろう。
まあ、自分は自分らしくしてるので比較する必要はなくなったかな?


「誰にも教わらずにスキップが出来る人はどう考えても幸せである」
大人になった今、こっれって羨ましくもあるが、でも苦労した分リターンもそれなりだ。





アバター
2015/07/07 08:18
やっぱ ひでさんの書く文章は好きだわ




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.