Nicotto Town


人に優しく。


ふたり


ペンギンが先にキッチンにやってきて、そのうしろからソーニャがついてきた。

ソーニャはペンギンを鉢のところまで送ってきて、<ペンギンのミーシャ>がタラを食べる様子を面白そうに見ている。

「でも、なんでこのペンギン、ひとりぼっちなの?」

首を上げてソーニャが聞いた。

「さあねえ」

ヴィクトルが答えた。

「でも、ぼくと一緒に住んでるんだから、独りぼっちじゃないよ、二人さ……」

「わたしもパパとふたりだよ」

ソーニャが言った。





ー 『ペンギンの憂鬱』 アンドレイ・クルコフ ー




 




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