☆初恋 14話☆
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/09 22:27:17
「あーぁ、目が腫れてるよ」
手鏡を見てつぶやく。
いつも以上に憂鬱な朝・・・
いつも以上に重い足取りで学校に向かう。
教室に入ると、
いつも通り、
裕也はだるそーに机に寝そべってる。
あたしは席についた。
「おはよ」
あたしは華音に言った。
なぜか心配そうな顔をしている。
「どしたの?」
「奈緒・・・聞いてくれる?あっ、教室から出ない?」
「うん・・・」
何だろ・・・
「あのね、奈緒・・・裕也他にも彼女いるみたい」
「えっ?」
「昨日の夜、あたしの友達が裕也が綺麗な女の人と歩いてるの見たんだって」
昨日の夜・・・
多分あたしと別れた後だ。
「裕也が遊んでるっていう噂は知ってたけど、実際こうやって聞いちゃうと・・・悲しくて」
華音が泣きそうな顔をしてうつむいた。
「華音・・・」
「奈緒」
「ん?」
「奈緒から裕也に話してくれない?」
「えっ?」
「お願い」
「・・・わかった」
どこかで引っ掛かってた。
裕也はなんで昨日の夜あたしの家の前にいたのか・・・
どうして・・・あたしの事抱きしめたりしたのか、
「華音、教室入ろ」
「うん・・・」
あたし達は教室に入った。
「裕也・・・」
席についてあたしは裕也に話しかけた。
聞こえてないのか・・・
あたしの事無視してるのか、
裕也はあたしの声に反応しない。
「裕也」
少し大きい声で呼んだ。
「んだよ」
裕也がだるそうにあたしを見た。
凍ったように冷たく・・・鋭い目つき、
体がこわばる。
怖い・・・
「話が・・・あるんだけど」
「俺は飯田に話なんかねーから」
飯田・・・
なんでだろ、
電気でも通ったみたいに心が痛くなった。