ゴシックという時代は、g華やかな色が想像できません。
中世ヨーロッパで爆発的に流行したらしいサマイト、つまり色とりどりの絹織物とは対照的に、黒。男女とも黒の衣装が多いように思います。

これは、ゴシックという言葉と少し関係するのかな、と想像しています。
ゴシックとは「ゴート族の」という意味です。
世界史の授業に登場したあれ、あれです！
民族大移動、ゴート族の南下、ローマ帝国のゴート族による征服です。

この時代を舞台とする有名なタイムスリップSFがあらいます。
L.スプレイグ・ディ・キャンプという人の、「闇夜落ちるなかれ」という作品。
２０世紀のローマにいた男が、なんとなんと、ゴート族がやってこようという直前のローマに移動してしまうのです。
今でもkindle版で読めるようなので、URLはっときますね。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01IHR1SEE/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

んでまあ、この作品を持ち出したのは、タイトルが凄くわかりやすく言ってくれているから。
ゴート属がやってきた。文化の華であった古代ローマ帝国は、これにより蛮族に征服されてしまいます。（ゴート属が蛮族ですよ？）

そして暗黒の中世ヨーロッパが始まるというわけです。

北からやってきたわけだから、ゴート族が着用していたのは、羊や山羊などの毛から紡いで織る、毛織だったでしょう。
羊も山羊も白いとは限りません（それは幻想です）。
褐色とか黒いのが結構います。
だから、いわゆるホームスパン、（家庭で作った）織物から作った衣服はあったかいけど、暗褐色のものだったようです。

だからこそ、ゴシック……ゴート族風のものは黒なんじゃないかなあ、と私は妄想しています。
そしてこの時代はキリスト教の宗派争いがとてもひどかったのです。
この時代から修道院というものがあり、修道僧がいました。
後の時代の修道僧とややイメージは違いますが、彼らの共通するイメージは、粗末な（つまり黒っぽい）衣です。
ここでも黒い衣裳が登場するのです。

油も蝋燭も高価な物ですから、照明はいたって貧弱です。
屋内は暗かったでしょうね～。
窓硝子などという贅沢品も、よほどお金持ちな教会などの窓にはまっているｄけでした。
かわりに薄くなめした羊皮紙を貼るなどしたところもあったかもしれませんが（これなら昼間は障子をしめているくらいのあかりは得られたかも）、
普通は、だいたい、窓とドアは開けっ放しでした。
寒い時、天候が悪い時、夜などは、鎧戸（雨戸にあたるものです）をしめきっていたんです。
これは暗いぞ～。

ゴシックの暗いイメージはここから来ているのでしょう。

貴婦人などが窓辺に座って描かれてるのは昼間でも屋内は暗いからです。
窓辺に座って読書（といっても小説のようなものはなくて、聖書とか祈祷書とかです）をするか、糸を紡ぐか、縫い物や刺繍をするか……だったんですよ～。
身分が低ければ、勿論大半は農民ですから、外で夫や家畜と一緒に一日中労働していたことでしょう。

そしてどの町にも浴場があった古代ローマとは一転して、
民族大移動の後にくる中世は、「入浴は体に悪い」などと言われ、お風呂もろくになく、
まあローマ帝国にはあった、さまざまな文化的な文物が一切合切なくなった、ほんとに暗黒の中世になってしまうのでした。

闇夜落ちるなかれ。

今世紀に入ってから、なんか天災や疫病などが頻発していますね。
異民族のかわりにこうしたものと戦わなければ、また、闇がやってくるかもしれませんね。

闇夜落ちるなかれ。