Nicotto Town



非異世界転生


「おいおい、なんなんだ~真っ暗じゃねーか」
目が覚めた俺は、真っ暗な世界にいた。
しかもふんわり浮かんでる感じで、気持ちが悪い。
手足をぐいっと伸ばしてみたら、壁があった。

「クソッ、なんか閉じ込められてるぞ」
袋の中みたいだし、ゴミ箱にでも入れられてるのか?
まてよ、閉じ込められてるって、下手すると酸欠で窒息か?

考えていたら、意識がすぅーーと遠のいた。

次に目が覚めた時、相変わらずの暗闇の中閉じ込められていた。
だが、段々と記憶が戻ってきた。

俺はさえない営業マンだった。業績は下の下。
残業に次ぐ残業
課長には怒鳴られ、
やり手の同僚からは笑われ、
顧客からは無理難題を押しつけられ。
死んだ方がましだな、なんて思う毎日。

その日も課長に怒鳴られて得意先へ行く途中
目の前で母親の手を振り切った子供が、赤信号の横断歩道を車道へ飛び出した。
子供は走ってくる車の前で転んだ。
俺は、どうでもいい自分より、ガキの命を助ける方がましかと、車の前に飛び出した。
まぁ自殺よりは体裁が良さそうだったからな。
ガキを抱いて歩道に突き飛ばすと同時に車が俺の体を潰す衝撃が……
痛みは一瞬だった。

気がついたら、これだ。

あの世って、こんな所かよ?
絶望的退屈。

なんとかこの檻から出ようともがいたが、だめだ、力がぬける。
疲れた俺の意識がまた遠のいていく。

次に目が覚めた時、俺を閉じ込めている檻が縮んで俺を押し出そうとしてやがる。
う、狭い所で押しつぶす気か?
いや、違う、水が流れてる、川?
急に明るいところに頭が飛び出た、
一瞬体が締め付けられたが、段々と押し出されてくる。

結構な時間、そんな締め付け状態だった俺だが、気がつけば声がする

「いいですよ、もう一回、ヒッヒッフー、さあ息んで」
「おかあさん、がんばって」

なんだ?
あれっ?
お母さんってだれよ?

俺はいきなり締め付けから解放され、全身が支えられるのを感じた。

「元気な女の子ですよ」

え、お前ら何言ってんだよという俺の声は

「おぎゃー」って叫び声に変換された。

体を洗われてるんだが、俺、やけに小さい。

「おかあさんですよ~」
ってベッドにいる女の横に寝かされる。
見たことあるぞ、この女。
あの横断歩道にいた母親だ!

なにがおこった?

まもなく男と、小学生ぐらいの子供が入ってきた。
男が言う
「今日からお前もお兄ちゃんだぞ。ちゃんと護ってあげるんだぞ」

子供を見ると、少し成長してるが、あのときの子供じゃないか。

あぁこれが非異世界転生か

てことは、俺にチートな能力がついて…………





つかこれ、輪廻転生じゃね?


続かない

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2021/01/16 19:26

オチが面白かったです(^▽^)/




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