エミルの「風姿花伝」
- カテゴリ：人生
- 2018/02/14 07:07:15
神の子羊の 御座に出づる
尊き血潮の 泉を見よ･･･
礼拝堂に響き渡る歌が聞こえる
この時 司祭は
その調べに合わせて
聖書を携え
至聖所から
降りてきていた
人々の中央に立ち
福音書を詠った
そして それから 説教壇に入り
短く祈った後 語り始めたのだった
「このキリストの教会は・・・
主なるキリストの復活の命に生かされています
キリストの血が 私たちの集まりの中に流れています
キリストの体によって養われ 成長を続けているのです
この日
キリストの復活を祝い
世界中の教会がそれぞれの祭壇の上に
キリストの体と血であるパンと葡萄酒を供え
それを私たちは分かち合います
・・・祭壇の上で司祭が
このパンと葡萄酒を高く持ち上げ
これを皆さんに示します・・・
キリストの命が
皆さんのうちに宿り始める物語
これがその物語の始まりなのです」
礼拝堂の周りに植えられている垣根の
その葉っぱをひたすら噛んでいたエミルは
その時はまだ青虫だった
礼拝堂から漏れ聞こえる司祭の声
神の言葉を説く教えが響いていた
しばらくすると
感謝と賛美の歌が
礼拝堂を媒介として世界に響き渡り
神の造られた世界が
この日もまた祝福されていた
充分に葉っぱをいただいたエミルは
ぽこんと大きく黒いものを排泄した
ワクワクしながら続きを待たせてもらいます