Nicotto Town



小説家らしく連載していくか←
題名決まってないけどー




碧髪隻眼でセーラー服を着ている彼女。彼女が町を歩けば道行く人々全員が振り返る。
それほどの美麗さを持っているリエド・リディクローズの高校生活は今日から始まる。
リエドが校門を通るなり、周りの観衆がざわついた。
そんなことなど一切気にせず『1-A』と書かれた自分の教室へ足を進めた。
席に座ると鞄から一冊の厚い本を取り出して読み出した。黒い表紙にフランス語でで『悪魔』と書かれている。
彼女が本を開いたと同時に朝のホームルームのチャイムが鳴り先生が入ってきた。
初めての先生の顔に周りからは密かに話し声が聞こえる。先生の顔は一目もせずリエドは本に集中していた。
初めてだからという理由で無駄に長かったホームルームも終了し、リエドは一息ついた。
その時、「名前なんていうの?」不意に声が飛んできた。声の方に目をやると髪の短い笑顔の女の子がいた。
「あたしは市松裄。ゆきって呼んで」そう言って笑う裄から視線を再び本に戻してリエドは相槌を打った。
「私のことはリエドでいいわ」その言葉を聞いて満足そうな顔をした裄をリエドは見てなかった。
「どこの出身なの?」再び訊ねる裄を背にリエドは答えた「フランスとどこかのハーフよ」
裄は目を輝かせて「おおーっ」と歓声をあげた。「何読んでるの?」
後ろの席に座っていた裄はリエドのところに来て本の表紙を見た。
「なんて書いてあるの?」「悪魔」リエドはその言葉に即答した。
「悪魔?」オウム返しに訊ねる。「そうよ。悪魔を召喚しようと思うんだけど。悪魔について色々知っておかなきゃね」
リエドの話を聞いた裄は変なのと笑うと再び自分の席についた。
次の時間は移動教室だった。生徒たちはいきなり何の嫌がらせかとぶつぶつ文句を言いながら教室を出て行った。
リエドは片手に教科書や筆箱を携え、もう片方で本を読みながら移動した。
その行動に他のクラスの生徒も注目する。「一緒に行こー」残っていた裄がセナリアを追った。
「私と一緒に行動しても楽しくないわよ」リエドは冷たく言い放ったが裄はついてきた。
「私以外と友達になればいいじゃない。中学同じ人とかいないの?」そう言うと裄は寂しげに笑った。
「引っ越してきたばかりだから…それにリエドと友達だったなんかすごいでしょ」満面の笑みで言った。
「私は貴方の見せ物って訳」「違うよ!そう言う意味じゃなくて…えと…」
リエドは横で一生懸命考えてる裄を見ると鼻で笑った。次の授業は理科だった。
講堂のようにできている理科室のリエドの隣に裄は座った。
少しすると白髪でパーマがかった髪をしている教科担が理科室に入ってきた。
初めての授業なので説明ばかりだったが、途中で教科担は黒板に大学卒業レベルの問題を書き写した。
「それじゃあ…リエド君にやってもらおうかな」そう言って教室の端に言った。
「普通の日本人高校生でも解けない問題を数日前に初めて日本に来た少女ができるわけないな」
教科担がその言葉を言った瞬間、生徒たちの目が犯罪者を見るような目つきに変わった。
最低、最悪などの言葉のざわざわと聞こえてくる。そんな中講堂の上の方に座っていたリエドは徐々に階段を降りていく。
「私に人前で間違えさせて屈辱を味あわせる作戦ですか」教科担の前でそう呟くと黒板に向かった。
が、しかしリエドはあり得ない程スラスラと問題を解いた。
「こんな程度の問題、私が解けないとでも?」嘲笑うようにそう言うと自分の席に戻っていった。
教科担は唖然としたまま黒板を見つめていたが徐に生徒たちの前にくると「正解…」と呟いた。
その瞬間生徒全員はリエドに歓声をあげた。彼女は満足そうな顔をして自分の髪をはねのけた。
理科の教科担が職員室でそのことを言ったのか、リエドに難しい問題を問う先生が次々現れた。
その度リエドはスラスラと問題を解き、フランス語で『間抜けな人間』と呟いて席に戻っていった。
やっとのことで今日の全ての授業が終了した。裄は伸びをしながら「リエドすごいね!感動しちゃった」と話しかけた。
一方のリエドは「あれくらい出来て当然」と当たり前の如く返事をする。
やはり裄はリエドを神を見るような輝くまなざしで見つめたのだった。




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