Nicotto Town



とりあえず病院に行くと言うリエドの命令により、四人は病院に来ていた。アノはもちろん、先に家に帰っている。
治療室では医者が傷だらけの離鳴と契を見て、リエドを見てとの繰り返しが未だ続いている。
「前のこんな感じの傷が…」医者が口に出した途端、リエドは人が変わったように、
「先生今日もかっこいいですわね。危うく見惚れてしまうところでしたわ」と笑顔を繕った。
医者も聞かれたくないということ察し、それ以上は何も言わず治療した。
成人の方は危篤状態で、あと少し遅ければ「誠に残念ですが…」の言葉を聞かされるところだった。
人工呼吸機を取り付けられ、無期入院という結果である。
そして医者の方も二人の治療を終えると、「帰るのかい」と心配そうな顔をしたが、成人の部屋に寄りすぐに病院を出た。
二人はよろよろと押せばすぐ倒れるような足取りで、リエドの前を行く。
しかもこんな夜遅く、先程まで家で寝てたかのような格好ときたもんだ。
「貴方たちどうしてそんな格好を?」リエドは呆れたようにため息をついた。
「聞きたいの」離鳴が訊ねる。リエドは当然と言うように顔を背けた。
すると今度は契が「あんま話したくねえなあ…」と頭の後ろで腕を組んだ。
その言動がリエドにはあまり良い印象を与えなかったため「話しなさい」という判断にこぎつけた。
「あれは…」契が話を始める。隣にいる離鳴は目に影を落とした。
契が説明の途中で口を閉ざした。リエドは続きが気になり、なんとか聞きだそうとする。
「それで、男が去って、貴方がたはどうなさったの?」契の代わりに離鳴が説明を始める。




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