Nicotto Town



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帰りはディアナの車で二人で帰った。言葉は一言も交わさない。
聞きたいことは山ほどあるが、リエドは年頃なのでディアナも気を遣っている。
家に着いてドアを開けるが、離鳴と契がいない。リエドが家中を探し回ると、二人はキッチンの奥の食料庫にいた。
暗闇の中にいたが扉が開き、明るくなったのでこちらを向いたのだ。
リエドが見たものは芋が入った袋に手を突っ込んで、ひたすら生の芋を食べる二人の姿。
振り向いた二人は扉を開けたソレを見たとき、手に持っていた芋を落とした。
「いや、あの。これは、その…」契は頭に弁解の言葉を浮かべたが何も思いつかない。
怒りに満ちたソレは段々こちらに近づいてくる。「いやーーー!ごめんなさい!」
離鳴が精一杯謝るが、ソレは一切言葉を聞き入れず、二人を引きずって食料庫を出た。
「芋は洗う、生で食べない…、じゃなくて!ご飯まで我慢しなさい!」
リエドは二人を怒るとため息をついてキッチンを出た。「いいじゃないの」ディアナが苦笑する。
「貴方には関係無いわ。あと、その笑顔嫌いよ」不機嫌そうに言うとソファに腰掛けた。
ディアナはそれを聞いて少し寂しそうな顔をしたが、リエドに一発お見舞いされた二人を見ると笑顔になった。
二人の側に駆け寄ると、今日頂いてきた制服を見せる。「はい、来週からこれ着て学校行ってね」
ディアナが笑顔でそう言うと、二人は制服を受け取ってリエドのところに行った。
「姐さん、これどうでしょうか!」嬉しそうに離鳴が言った。
リエドは「いいんじゃない」と流したが、二人は本当に嬉しそうだった。
学校はどういうところなのかとリエドに質問攻めである。リエドは最低限のことを教えると、ソファに横になった。
二人はまだ楽しそうに自分たちの妄想を膨らましている。リエドが横になると次はディアナのところに聞きに行った。




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