Nicotto Town



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「やっと見つけた…」大きく開け放たれた窓から病院を見つめて呟く。片手には成人の写真を手にして。
「男になったなんて、予想外だったけど、やるなら明日よ。お兄ちゃん、待っててね」
窓を閉めに窓際に寄る成人をじっと見つめると、視線を下に落とす。
マンションの下を平然と横切るリエドとそれに追いつこうと足を速めるアノが目に入る。
少女は親指を噛むと、「邪魔ね。八柱なんて…」と呟いた。それに同意するかのように奥から入ってきた女性が頷く。
「そうね。少し邪魔だわ」美しい美貌に腰まで伸びた長い髪、スラッとした長い足、モデルのような身長、そしてパーティドレス。
まるで女神のようなその美貌に男は騙されるという。「リャナンシー、今日も綺麗ね」
その言葉に満足したかのように髪を後ろにやると、「貴女もよ、簪」と少女に寄り添って優しくキスをした。
唇を離すと簪は再び病室を見る。「計画は?」「ばっちり」リャナンシーはウィンクすると踵を返し、奥に戻っていった。
「もう少しよ、お兄ちゃん。必ず復讐してあげるからね」口元に不敵な笑みを浮かべると勢いよく窓を閉めた。




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