Nicotto Town



クリスマス一ヵ月前なので、パソコンの奥底から

…発掘してきました。

タイトルが文字制限に引っ掛かった(;´▽`A``

大昔に書いた『幽遊白書』夢小説です。
主人公は飛影。
ええ、もちろんww
この頃はまだ腐ってなかったんですよねー、私。
ああ懐かしいw

読み返すとかなり恥ずかしい文章なので、コメント欄はしっかり閉じさせていただきます。
(なら、そもそも晒すなよとか言わない!)



「明日はクリスマスだし、ケーキ焼くから食べに来ない?」
あいつの言葉に、オレはわずかに顔をしかめた。
苦します?
一体何を考えているのかしらんが、面白い。 どうやって苦しませてくれるのか、楽しみにしておいてやる。
「よかろう。キサマの挑戦。受けて立ってやる」
オレがにやりと笑ってそう言うと、あいつは顔をしかめ、
「なんか、ずいぶんな言われようね」と言った。

翌日、オレが約束の時間きっかりにあいつの家へ行くと、 あいつはエプロンをし、そこらじゅう粉とクリームだらけになりながらオレを出迎えた。
「もう少しで出来あがるから、ちょっと待っててね」
そう言うと台所へ戻って行く。
しばらくすると甘い匂いと共に、あいつが白くてでかい物体を持って現われた。
「フン、それが苦しますケーキと言う訳か」
オレの言葉にあいつは頷くと、 「うん、初めて焼いたから美味しく出来たかどうか分からないけど、食べてみてよ」 と言いながら、オレに一切れ差し出した。

ま・・・まずい。
何をどう表現したらいいか分からないほどまずい。
なるほど、これは確かに苦しますケーキだ。
一口食べたまま硬直しているオレを覗き込むように、あいつが「どう?」と聞いてくる。
多分ここでまずいと言ってしまったらオレの負けになってしまうのだろう。 そうはいくか
オレは無理やり口の中のものを呑み込むとニヤリと笑い、「まあまあだ」と言ってやった。 それだけではない。オレは皿の上に乗せられた分を一気に食べてみせもした。
フ、これでオレの勝ちだな。
そんなオレを見て、あいつもケーキを一口自分の口に放り込む。 その途端放り込んだばかりのケーキを吐き出し、「何これ、まず~い」と言った。

「やだ、飛影なんでまずいって言わなかったの?  無理して食べてお腹こわしたらどうするのよ。 じゃなくて、ごめん、こんなもの食べさせて。ああもうヤだ。 試しに小さいの作った時は上手くいったのに、なんで肝心な時に失敗するかな。 ホントにゴメンね」
あいつはいきなり支離滅裂な事を言い出したと思ったら、今度はぽろぽろと涙をこぼし始めた。
なんなんだ? 一体。
終いにはしゃくりあげ、何を言っているのかもわからない。
よくわからないが・・これも多分苦しますの一環で、[泣いて困らす]と言う手なんだろう。
そう結論を出したオレはフッと笑うと、「気にするな」と声を掛けてやった。
これでまたオレが一歩リードだな。
すると、オレの言葉にあいつは驚いたように顔を上げた。
「なんか、いつもの飛影じゃないみたい。 もしかしてクリスマスだからかな」
そう言ってようやく笑みを浮かべると、「ご飯の用意するね」と言って台所へと向かって行った。
「大丈夫、ご飯はちゃんと食べられるもの用意するから」と付け加えて。
この辺へきて、オレはどうも妙な食い違いがあることに気がついた。
だがいまさら聞き返すわけにもいかず、釈然としないまま、 出されたものを腹に納めた(ちなみにメシはうまかった)

数日後、どうにも落ち着かないオレは、改めてあいつの元を訪ね話を聞いてやった。
大笑いされた。
チッ。




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