春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」32
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/12/17 22:18:21
「ああああああっっっっ!!!」
突然、谷本が大声を上げた。そして、おもむろに鞄の中からファイルを取り出す。
「ビックリした~~~~。 いきなり叫ぶなよ!」
春田の指摘には目も触れず、一目散にファイルを読みふけっている。
「何か重要なファイルの様ですね・・・。」
酒井は興味深そうにファイル...
私のもう一つのブログ、
http://17253670.at.webry.info/ も宜しく。
こちらでは、実生活の近況を書きつづっています。
最近こっちばっかりで、あまり書いてませんが。
「ああああああっっっっ!!!」
突然、谷本が大声を上げた。そして、おもむろに鞄の中からファイルを取り出す。
「ビックリした~~~~。 いきなり叫ぶなよ!」
春田の指摘には目も触れず、一目散にファイルを読みふけっている。
「何か重要なファイルの様ですね・・・。」
酒井は興味深そうにファイル...
「今回もその撮影が目的でここに来たそうなんです。」
「って事は、その写真に何か写っているって事ですか?」
春田は身を乗り出して聞いた。彼はにこやかな表情で頷く。
「ご推察の通りです。 確かに何か写っていました。」
「その写真、見せて貰うことって出来ますか?」
谷本は立ち上がって酒井に聞い...
「警部さん、チョットいいですか?」
二人の話を聞いていた春田が声を掛ける。
「さっき、太田 陽子が第二発見者だっておっしゃってましたけど、第一発見者は誰なんですか?」
「第一発見者は、京都市内から来た大学生です。で、彼女らが害者を発見する時、ちょっとしたトラブルがありましてね・・・。」
「...
「春田、有り難う・・・。」
ようやく落ち着きを取り戻した谷本が、彼にお礼を言った。
「アホが・・・。俺まで巻き込みよって・・・。」
春田はアゴに手をついて窓の外を見た。
「ゴメン・・・。 着いてきてもらって・・・。」
「だから・・・。泣きそうになるんは止めろや! 男の泣き顔なんて見たない...
「春田! 待ってたんや。さあ、入って入って・・・。」
夕暮れ迫る四条河原町の一角、大村探偵事務所のオフィスで谷本は友人の春田を迎え入れた。
「今日も、暑かったやろ! ビールがいいか?」
彼が事務所の冷蔵庫を開けようとしたが、春田が差し止める。
「いや、麦茶にしてくれ。ビールだと寝てしまうわ...