あとで彼が私に語ってくれたので分ったのですが、その2日ほど前、KFS講談社ArtTalentTestというところから突然封書が来ました。結果報告会のご案内というもので、

「大変お待たせしました。以前あなたから提出されましたアートタレントテスト（美術適正テスト）は総合評価において合格されました。つきましては、合格者を対象とした『大阪エリア結果報告会』を行いますのでご案内いたします。

　講談社フェーマススクールが全国の「眠っているアートの才能」発掘を目的に実施しております。アートタレントテストは既に40年以上の歴史があり、美術界において高く評価されています。「結果報告会」は、アートタレントテストの合格者を対象者に行っているものでこの結果報告会をきっかけに多くの方が絵の力を伸ばし活躍されています。」という

わけの分らない、しかし、「あたかも貴方は隠れた才能があるので、講談社のフェーマスクールズの受講で夢のような世界が広がるような錯覚をさせる」悪質な勧誘の会であることを突き止めたのです、彼のPC知識・テクニックは半端じゃないので、気づいたのですね！

そして、それが何時・どこから行われたかを調べ、二度と侵入されない手段を講じていたそうです。

これを突き止めた旦那様は、そのテストを行った旨の文書をどうやって彼の住所に送ってきたかをしらべ、それがwebのいわゆるハッカーがやる「成りすまし」という巧妙な手段で、彼のPCに何らかの方法で侵入、彼の個人情報を盗み、そのような文書を送りつけてきたのです。

確かに一度破られたら、また侵入してくることは目に見えているので、彼はその防御策を講じていたのです。確かにこれは一刻を争う大事件が、私の家で今まさに起こっていたのです。

　この日は 娘が仕事がお休みで、そんな私の頑なな態度をみて、「おとうさん、こんばんはバレンタインデーやね、私と食事に行く？」と、お誘いをしてくれたみたいで す。この父ありてこの娘ありですね、娘に対する彼の優しさが半端じゃないから、娘も今の彼の気持ちを察してそのような行動をとったのですね！

　「ごめんなさい！お父さん」そんな大事件があなたに襲い掛かっているなど露知らない私は、せっかくのバレンタイン、毎年私があなたに「俺はボンボン育ちやから、ウイスキーボンボン頼むで！」というとおりウイスキーボンボンも買わず（2日前から寝込んでいたのでいつものようにチョコレートうを買っていなかったのです。）あまつさえ「晩御飯、作らんからね」と不貞寝をしている情けない妻でした。

　昨夜（深夜）あなたが、私をあんなにも優しくいたわってくれ、だまって仕事に行き、全力で仕事をして疲れて帰ってきて、洗濯物を黙って取り込み、一人で昼ごはんを食べ、そして、恐ろしい事態を、敢然と防ごうとしていたなんて、私は知らなかった。

　食事を終え（その食事の間に、親に似てPCにかなり詳しい娘に今我が家で何が起ころうとしているかを説明したみたいです。）旦那様が何故今日に限って、私があんなに怒った態度をしても敢えて、PCの作業を続けたかを知りました。

　「ゴメンナサイ、旦那様。浅はかな私、風邪引きさんで激しく咳き込む私を思い遣ってそのような態度で、私からのいわば『言われなき反抗』をじっと一人で耐えていたのですね！」「あなたが、楽しみにしていたバレンタインデー、わたし台無しにしちゃったのね！」

　せめても の思いで娘に「お父さんにウイスキーボンボン！」と小声で言うのが精一杯の私でした。かれは、家と家族を守るために、必死になってその作業をしていた、な のにわたしは、「ＰＣの音がうるさい」だの、「こんなに咳き込んでるのに何で今ＰＣやるのよ！」って、怒っていたのですね！なんという馬鹿でしょうか、ゴ メンナサイ、ゴメンナサイ！」

　私はあなたの優しさと強さを信じられなかったね！許してください！

あなたは、とてつもなく優しいから、そんな私に何事もなかったように接してくれる、

本当にあなたは、世界で一番のだんな様です！

世界で一番大好きです！

こんなだんな様にめぐり合えた私は世界一幸せ者ですね！