Nicotto Town


クルーソー


版画『暫』


中村勘三郎さんが
お亡くなりになり
TVで息子さんたちが
裃姿で
「父のことを、忘れないでください」と
頭を下げられて居られるのを見て
私は、良くは存じませんが
お幸せな、御家庭だなと
思って拝見していました…。


さて
歌舞伎と言えば
思い出す事が有って
版画で
作った事が有ります。

『暫』と言う
歌舞伎の演目の大見栄を
A4位の版木に、彫りました。

左手は、腰に差した
長い刀の鞘をおさえて
右手を、上に揚げて
長い袴を引きずりながら
一歩、踏み出しています。

羽織の上は
大きく編んだ、たすきを掛け
髪形は、大きな黒い蟹のようです。

後ろには
四角い、大きな蝶の羽の様な物まで
付いています。

これは、迫力がある。

私の気分は
歌麿か北斎です。

薄い紙に、下絵を描いて
裏返して、版木に貼り付けます。

合板の様な、柔らかい木ですから
割と簡単に彫れます。

彫り上がれば
ローラーでインクをのせて
紙を敷き
バレンで、擦ります。

うーん。

中々の、出来栄えです。

しかし、何か物足りない。

そう
顔の隈取です。

細い筆で、朱色の線を書き込みました。

これで、バッチリです。

さっそく、先生に提出しに行きました。

先生は版画を見ながら
「顔の線は、消しゴムででも、彫ったのか?」と
聞かれましたから。

「いいえ、後から筆で描き足しました。」と
答えると

「ふーん…」と
明らかに
残念そうな顔を、されました。

私は
アメリカの大統領、ジョージ・ワシントンの
「桜の木は、私が折りました」の
気持ち、だったんですけどね…。

アバター
2012/12/12 06:14
本来、多色刷りにして
顔以外にも
色を付けたい、ところですが
そこまでの、スキルも気力も在りませんでした。

アンチョコな手段で
お茶を濁したのが、まずかったんでしょうね…。
アバター
2012/12/12 00:52
そうですか…。

う~ん、微妙な世界ですね。
黒いなかにひとすじだけ朱があってきれいだったでしょうけどね…。

“版画”ではなくなっちゃうのかな?

先生を悩ませてしまったのかもしれませんね^^

あの口上には、私ももらい泣きをしてしまいました。
襲名披露の舞台中に父が亡くなるなんて、役者さんも大変ですね…。




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.