読書ノート「夜の写本師」乾石智子
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/05/07 01:04:19
星5…凄く面白かった+感動した。
読書ノート
「 夜の写本師 」
乾石 智子 著
(いぬいし ともこ)
久し振りに読みごたえのあるファンタジーを読んだ!!!
と、つくづく。
囚われちゃったお姫様みたいな可愛い系の
ファンタジーもありだと思います。
が。
ゲド戦記が宝物の良太郎♪としては、
せんべいとチョコ位の差があるのです。
新製品だの、好きな俳優さんがCMしていたりだの、
好きなキャラクターが食べてただの、
そんなヨコシマな理由で
たまに摘むには良いけど毎日は要らんチョコレート。
誰も宣伝して無くても
医者に塩分の取りすぎに注意!と止められても、
しょっぱいせんべいは毎日食べたい。
と言うわけで、
先日読んだ囚われちゃったお姫様とか…
二番目のフローラとかは、
チョコレートかなー。
と言うわけで、
しょっぱいせんべいキターッ!
ってなカンジのファンタジー来ました!!!
巻末に井辻さんが
硬く書いてらっしゃるので、
難しい話は置いといて。
子供の頃に、
図書館で、胸を高鳴らせた
ドキドキ感が
甦りました。
難を言えば…
他の部分が物凄く上手く出来ているワリに、
悲劇の発端と、
主人公が立ち上がる発端が…
他の部分に比べると弱い気が…。
(なんというか、こういう事を思わせちゃってる時点で
ちょっとアレなんじゃないかな。と
ゲド戦記とかナルニアを読む時、私にとってそれは、
彼らの人生を覗かせて貰ってるだけで、
構成だの書き込みが秀逸だのそーいう事を全く考える余地がない程、
物語に強く引き込まれている訳です。)
しかし。
私にとってファンタジーとは、
ほんの少しずれた世界。
昔だったり、異世界だったりの
世界で語られる、
いずれの世界でも変わらぬ真理
についての物語であって、
そういう点において、
文句無く素晴らしい作品だったなぁ。と思います。
物語は、
月石・真珠・黒曜石を
身に着けて生まれてきた少年カリュドウが、
前世の自分を
繰り返し殺してきた相手に、
今また、今生でも、
育ての親と幼馴染の少女を殺されるに至って、
復讐に燃えるが…
という、
一人の幼い少年が敵である
非情な魔道師への復讐の念を胸に抱きつつ
成長していく物語なのですが、
ネタバレてはイカンので語れませんが、
単純な勧善懲悪ではない、
もう一つ掘り下げた深い物語でした。
面白かったです。
★★★★☆
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星4…凄く面白かった
星3…面白かった
星2…面白かった気がする。
星1…時間つぶしになった。
星0…読むのに掛かった時間を取り戻したい。
それが、該当作品の価値を左右するものではありません。