Nicotto Town



、目上の貴族の

と目を合わせると、恐る恐る音の方向に目をやる。
 書斎に入ること事態が禁止されているわけではない。でも父親に相談もなくだったので、見つかれば注意を受けるには十分な理由だ。
 階段を下りて現れた足音の主は、メイドのノーラだった。
「どうしたの? ノーラ。そんなに急いで」
「お、お嬢さま、ここにいらっしゃったのですか? お部屋にいらっしゃらなかったのでお探ししました」
 どうやら書斎に入ったことではなかったようだと、コレットは肩から力を抜いた。
 自分には関係ないことだと、アンリはコレットの横を通り過ぎて行く。
「今、今、今……」
「ノーラ、落ち着いて。今何かあったの?」
 小さく首を縦に何度も振って、ノーラはなんとか言葉を搾り出す。
「今、いらっしゃってるんです!!」
「どなたが?」<a href="http://www.hexqim.com/">tory burch リボン</a>
「応接室で、男爵さまとお話されていて」
 どうやらコレットが書斎で調べものをしている間に、父親は帰ってきていたらしい。
 見つからなくてよかったと、小さく息を吐く。
「早くコレットお嬢さまを連れてくるようにと男爵さまが!」
 慌てて話すので、ノーラの言葉は要領を得ない。
 コレットは小首をかしげる。
「ノーラ。|どなた(???)がお父さまとお話されているの?」
「だから、バード公爵さまです! 公爵さまがいらっしゃってるんです!」
 ノーラの言葉に、先に歩いて自室に戻ろうとしていたアンリが驚いて振り返った。
 そんな弟と目が合うと、コレットは何か言われる前に視線を逸らした。

22.夕暮れ

 応接室の扉を開けると、すぐにコレットに気が付いたフィオンと目が合った。目が合った瞬間、フィオンの顔に弾けるように微笑がこぼれる。<a href="http://www.hexqim.com/">tory burch 財布 がま口</a>
 それだけで、窓から差し込む光には変化がないのに、応接室の中が明るくなったような錯覚さえ感じられた。
 父であるマカリスター男爵と何か言葉を交わすとフィオンはすぐに立ち上がり、コレットがあいさつをする間もなく彼女に近づく。
 コレットの手をとると、貴婦人へあいさつするように彼女の白い手に唇を落とした。
 コレットのすぐ後から応接室に入ったアンリが、いきなり目の前で行われた行為に目をむいて、中に進もうとしていた足をぴたりと止める。
 王宮に呼ばれたり、バード公爵家の別荘に招待されたり、パーティーのパートナーと務めたりと、薬の性とはいえバード公爵が姉に思いを寄せていることは聞いていた。聞いてはいたが、今まで遠くから見ることしかなかった王弟殿下の、そのとろけそうなほどに甘い笑みを実際に目の前でみせられると、自分の認識以上だったことを実感する。弟にでさえ言い負かされてしまうようなコレットが、バード公爵の甘い口説き文句に対抗するのはどうみても難しそうだ。
 息を飲むような弟の気配を背後に感じ、微笑むフィオンのそのおくには、微妙な表情の父親の姿がある。
 フィオンと会って、何度となく行われた行為。
 だがさすがに家族の目の前でとなると、気恥ずかしさも違ってくる。
 みんなの視線を感じ、コレットの頬が赤く染まった。年頃の女性が初々しく恥らっている姿は、とても可愛らしい。
「急な訪問で驚かせた? 近くを通りかかったものだから、どうしてるかなと思って」
 コレットの手をとったまま、にっこりとフィオンが微笑んだ。



「お父上たちを驚かせてしまったみたいだったね」
 王都を流れるセイズ川の|辺(ほとり)、遊歩道としてきれいに石畳をしかれた場所で、歩を進めながらフィオンが言った。http://www.lithmc.com/ 銀座 kate spade
 突然のバード公爵の訪問に、父親であるマカリスター男爵もどうしていいのか分からず、平静を保とうとしつつも家の中は上を下への大騒ぎだった。
 それを感じて、フィオンはコレットを散策へと誘い出した。
 初夏の夕暮れ時、川べりでは涼やかな水音が響き、心地よい風が生まれている。
「とんでもありません。フィオンさまのご訪問は、父にとってとても栄誉なことですもの」
 貴族にとって、目上の貴族の訪問は名誉なことに当たる。
 その人から訪問を受けるということは、それだけ目をかけてもらっているということになり、交友関係がものをいうような貴族社会での立場を押し上げることにもなるからだ。
 それが王弟であり、国内屈指の名門であるバード公爵家の当主であればなおさらである。
 確かに突然のことで、平常心ではなかったようだったが。
「君は?」
「え?」
「コレットはどう? 僕が急に来て、迷惑だった?」
「そんなことっ! そんなこと……ない、です」
 足を止めてコレットを覗き込むように見つめてきたフィオンに、コレットは慌てて否定する。
 驚きはした。
 まさかバード公爵自らが突然訪ねてくるなんてことは思ってもいなかったから。
 ちょっと恥ずかしい気持ちも確かにあった。
 家族の前でフィオンと一緒にいることは、




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