懺悔~たぬちとオレ
- カテゴリ:人生
- 2022/04/06 14:42:33
たぬちは、忘れられないオレの親友である。
「よろしくお願いしまちゅ」
初めて会った時、学習障碍児だった彼は17歳。オレはボランティアの指導員。
彼は超多忙な自営店に生を受けたため、赤ん坊の時、親からほとんどかまってもらえなかった。ゆえに、情緒が育たず、その時点で、北と南の区別が付かず。
でも、性格が優しくいい奴で、オレとはウマが合った。
実はオレは、彼の2人目の指導員。
1人目は若い女性だったらしい。
「おねえさん。肩もんであげまちゅ」
たぬちはスケベ野郎で、そう言って背後に回り、お〇ぱ〇をモミモミ。今なら訴訟沙汰かも知れませんなあ。
さすがにオレは触られなかったが、たまに首筋にキスされた。
ところが・・・たぬちは、とんでもない特技を持っていたのであった。
トランプが、無茶苦茶強かったのである。
「ポーカーやりまちょ。10円賭けて」
オレは10連敗。1か月トータルで3000円以上負けた。
「おい!たぬち、イカサマやってんだろ!正直に白状すれば、チクらないでおいてやる」
「ごめんなちゃい」
たぬちは渋々、手口を公開。
南北の区別が付かないくせに、何と、トランプの裏側に釘で微妙な傷を付けて、すべての札が何か分かっていたのであった。
オレは思った。たぬちは、レインマンだ!
特に自分に興味のある事に関してだけ天才的に凄い人間。
『こいつの博才は、超絶してるかも!』
オレは、復讐を企んだ。
「おい、たぬち。パチンコ好きか?」
「大好きでちゅ」
「種銭5000円渡すから、稼いで来い。勝った金は、半々にしてやる!」
「やったあ!」
勝ちの半分をかすめ取るって、闇金ウシジマくん真っ青じゃん。
やはり、たぬちは、パチンコ強者だった。
全勝とはいかないが、大負けしない。確実に勝って来る。
「今日もフィーバークイーンで出まちたよ」
オレはたぬちから取り上げた金で、缶ビールはもったいないから、安いホッブス生を買ってやり、ポテチや焼き鳥をつまみにふたりでよく呑んだ。
マジですか?指導員でしょ?
マジですよ。あの時代は今ほど、未成年飲酒に厳しくなかったしね。
まあ、オレは、極悪野郎ですな。
2年後、たぬちは、栃木にある福祉工場に就職、逸話は山ほどある。
でも、あのギャンブラーは、肝臓が真っ黒になって27歳で死んでしまった。
冗談抜きで、幼少時から主食はポテチやラーメンだったらしい。
あれから、幾星霜・・・
オレはこの春から、身の程に合わぬ難しい仕事に取り掛かっちまった。
たぬち、お前は、ラッキーを運んで来るレインマンだろ?
あの時のことは謝るから。
どうか、天国から、オレに力を与えてくれ。頼む!
偏食にしてもまさか命に関わるなんて(^_^;)
ご本人気づいてたかどうかわかりませんが、食生活改善する気があったのかどうか。
指導員とは珍しい経歴をお持ちですね。長文だけど読みやすかったし楽しかったです(^o^)
なかなかやり手ですね^^b
パチンコで勝ち続けるってどうやったんだろう?
そのやり方は聞かなかったのですか?
教えてほしかったですね~♪
教えてもらっても出来ない事だったかもしれないけど、どうやったかには興味があります。
出る、出ないの見極めが凄いのかな?
新しいお仕事 始めるんですね!?
上手くいきます様に~^^b