Nicotto Town



悪い話で

ゃ」
 今度は荒木のそのことから言うのだった。
「茶人が茶室で仕掛けるか」
「ふむ。茶室では茶を飲むものじゃ」
「では毒を飲む場所ではあるまい」
「わしは茶室では茶を飲み菓子を食う」
 やはり羽柴の目を見ながらだ。語る荒木だった。
「しかしそれ以外のものは口にせぬ」
「では客人にはどうじゃ」
「茶人は茶室では茶と菓子を出すものじゃ」
 荒木はそのまま返した。己の考えをだ。
「他はないわ」
「そうじゃな。それではじゃ」
「言うのう。そこまで読んでおるか」
「確かにわしも毒は考えておった」
 荒木が仕掛ける可能性はだ。やはり考えていたのだ。
 だが、だとだ。また言うのだった。
「しかし御主が茶室にわしを呼んだその時に確信したわ」<a href="http://www.vm55.com" title="http://www.vm55.com">http://www.vm55.com</a>
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「左様か。だからか」
「そうじゃ。わしは御主は決して毒は出さぬと確信しておるわ」
 また確信しているとだ。言う羽柴だった。
「絶対にのう」
「見事じゃ。確かにわしは茶にも菓子にも毒は入れておらぬ」
 ここでそのことをだ。荒木は破顔して言った。
「ありのままじゃ。美味い茶に菓子じゃぞ」
「そうじゃな。では有り難く頂こう」
「ではな」
 こうしてだった。二人で茶と菓子に手をつける。羽柴のその茶を飲み菓子を食う作法を見てだ。荒木は言った。
「御世辞にもいいものではないな」
「無作法か」
「うむ、どうも荒い」
 そうだというのだ。羽柴の作法はだ。
「しかしそれでもじゃ」
「よいというのか?」
「妙に人懐っこさがあるわ」
 そうだというのだ。羽柴の作法にはだ。
「親しみがあるわ」
「そうか。わしの茶の作法は」
「御主は百姓の出だったな」
「その通りじゃ。元はな」
「しかし今では織田家の重臣じゃな」
「そうなるな」
「織田殿はよく見ておるわ」
 羽柴の茶の飲み方からだ。言うのだった。
「実にのう。ではじゃ」
「織田家に入るのじゃな」
「いやいや、まだじゃ」
 ここでだった。荒木は再び楽しげな笑みになった。そのうえでだ。第七十九話 人たらしの才その五

 羽柴に対してだ。こう言ったのである。
「まだ足りぬわ」
「もう一つ必要か」
「そうじゃ。まだ必要じゃ」
「ではその必要なものは何じゃ」
「わしはわしだけではないわ」
 羽柴の目を見たままだ。そのことは変わらない。
 そしてそれからだ。彼は言うのだった。
「この家全部を背負っておるのじゃ」
「では家中の者もじゃな」
「そうじゃ。どう面倒を見てくれるのじゃ?」
 ずい、と前に出る感じでだ。羽柴に問うのだった。
「家の者達は」
「安心なされよ。地位も所領もじゃ」
「そのままか」
「織田家は素直に入った者にはそうしておる」
「素直にか」
「逆らう場合は流石に攻めるがな」
 しかし歯向かうことなく織田家に入った場合は地位も所領も保証するというのだ。羽柴は荒木に対してそのことを確かな声で話したのである。
「じゃがそれでもじゃ」
「そのまま入ればじゃな」
「左様じゃ。荒木家の家臣の者達もじゃ」
「ふむ。話は聞いた」
「当然御主の地位も所領もそのままじゃ」
「そしてそれからじゃな」
 地位と所領が安泰となりだ。それからだというのだ。
「運と実力次第で御主の様になれるか」
「うむ、立身は実力次第じゃ」
「織田信長殿は家柄等にこだわらぬとは聞いておる」
 それも聞いているというのだ。
「運と力さえあればじゃな」
「好きなだけのし上がることができるのじゃ」
「話は聞いた」
 荒木はしかとだと返す。
「では茶器もじゃな」
「瀬戸の茶器は凄いぞ」
「茶器を自分の領地で造るとはのう」
「これがかなり売れだしておる。どうじゃ」
「わしも買ってみればどうかというのか」
「そうじゃ。悪い話で




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