Nicotto Town



と消えた心優しい神鳴

りませんわよ」
「でも???」
「翔輝様。どうぞお泊りください」
 そこへ瑠璃の三杯目の紅茶(高級品)を注ぎに来た神鳴が言う。二対一。これは明らかにこちらに分が悪い。この圧倒的不利な状況を打開すべく策を考えるが、敵はそれを待ってはくれない。
「神鳴さん。『桜の間』を用意しておいて」
「はい、お嬢様」
 本人の意思に関係なく、話はどんどんと進んで行く。というか、当事者である翔輝には決定権はないのだろうか?
「だから、待ってって!」
 さすがにそろそろ自分の存在が危うくなった所で翔輝は止める。
「翔輝様。どうされたのですの? ペットショップに一匹取り残された子猫みたいな顔をして、そんなにかわいくはないですけど」
 相変わらず例えが無茶苦茶で、尚かつ痛恨の一撃の威力を持つ言葉を言い放つ瑠璃。
「だーかーらー。僕は宿を取ってそこに泊まるから、部屋の用意はいいって」
「???なぜですの? ここなら無料かつ最高級のお持て成しができるのですよ?」
「いいってば、僕はゆっくりしたいの」
 そう言うと、瑠璃は呆れたような顔をする。
「わからない人ですわね。ここなら最高級にゆっくりできますのに」
「別に最高級じゃなくていいから。僕は平民なんだから、瑠璃のような貴族と違って平民だから、ゆっくりも平民並みで良いの」
 特に『平民』と『貴族』に力を入れて嫌味っぽく言ってみた。さっきから色々(特に安年給)ひどい事を言われていたので、ちょっとしたお返ししてやろう???そう思ったのだが???
 ほろり???
「え?」
「お嬢様!?」<a href="http://www.952bc.com" title="http://www.952bc.com">http://www.952bc.com</a>
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 瑠璃が突如ほろほろと涙を流して泣き出してしまったのだ。これには翔輝と神鳴(特に神鳴)は驚いた。
 翔輝はアタッシュケースを捨てて、急いで瑠璃の傍についた。
「瑠璃!? ど、どうしたの!? も、もしかして嫌味がダメだった!? なら謝るよ! ごめん!」
 顔を赤く染めて大粒の涙を流しながら泣く瑠璃は、とてもかわいく思えたが、今は非常時でそんな煩悩は消え失せた。
 瑠璃はしばらく嗚咽をしながら静かに泣いていたが、突然ダムが倒壊したかのようなすさまじい鉄砲水の如く涙を流し、大声で泣き出した。
「うえええええぇぇぇぇぇんッ! 翔輝様と一緒に寝るんだもん! 寝るんだもん! 翔輝様はここに泊まるんだもん! 絶対絶対ぜぇぇぇったい泊まるんだもん!」
 恥じる事なく、高い着物(約六五〇万円)が乱れてもお構いなし。まるで小さな子供が駄々を捏(こ)ねるように手足をこれでもかとバタつかせて泣き出した瑠璃。そんな瑠璃を見て、心配から呆れに変わる二人。
 この少女、いつもは『?ですわ』とか『?ですのよ』とかお嬢様言葉で優雅だが、一度このように駄々を捏ねると『?だもん』に語尾が変わり、しかも幼い子供のように絶対自分の意見を譲らない、つまりは暴走するのだ。そして、一度こうなってしまった瑠璃は、二人の経験上その願いを叶えてやらないとかなり根に持つ(無視モード?最高一ヵ月。ネチネチ言う?最高一生)のだ。だから???
「はぁ、わかったよ。泊まるよ。泊まればいいんでしょ?」
 呆れながらも、瑠璃が昔とちっとも変わっていない事に心配と安心で複雑な苦笑をした。
 この言葉に、瑠璃は喜んだの何の、大喜び。
「やったあああぁぁぁッ! じゃあじゃあいつものように一緒に寝ましょうね!? 翔輝様のお話聞かせてくださいね!?」
「はいはい。どうせ「嫌だ」って言っても聞かないだろ?」
「あら、わかってるじゃないですの」
「バーカ。何年の付き合いだと思ってんだよ?」
 お互いに苦笑する。そんな二人を邪魔しちゃ悪いとそっと消えた心優しい神鳴に、二人は気づかなかった。

 夕食(本当に松坂牛のステーキ 




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