Nicotto Town



意宇にもいたんですね

訾毪郅擅坤筏ぁI瞍ず¥蔚驻蛱鳏幛郡趣韦瑜Δ嗜呵嗌恕ⅧS色の細い線模様がついて、そのうえ、鮮やかな桃色や黄色をした大小の玉模様が散っている。まるで、南国の海の底の鮮烈な彩りが、蝶の形に切り抜かれて風に舞っているようだった。

 行く手をふわりといく大きな蝶に見入って、狭霧は足を止めた。

「見て、恵那。すごくきれいな蝶……」

「あら、珍しい。大陸の羽娘ですね。意宇にもいたんですね。須佐(すさ)の山に入ったらたまに見かけるんですが、恵那も最近は見ていませんよ」

「大陸の羽娘? それが、この蝶の名前?」

「本当の名かどうかは知りませんが、私の里ではそう呼んでいますよ。大陸からやって来る美しい女官のような姿をしているからって」

 そこまでいうと、恵那はくすぐったそうに笑った。

「でも、娘と呼ばれますが、この蝶は雄(おす)なんですよ?」

「雄?」<a href="http://www.eshiboyulechengesb.com" title="http://www.eshiboyulechengesb.com">http://www.eshiboyulechengesb.com</a>


「ええ。翅に、桃色と黄色の雨粒みたいな模様があるでしょう? これは求愛の紋といって、雌(めす)を探している雄だけに顕れる紋なんです」

「求愛の紋?」<a href="http://www.eshiboyulechengesb.com/レディース財布-apufa1u-2.html" title="コーチ アウトレット">クレイサス 財布</a>
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「ええ。紋が美しいほど、相手が寄って来るようですよ」

 迷い出てしまった大路から林へ戻ろうとしたのか、その蝶はふわりと宙を舞って、飛ぶ向きを変えようとしていた。

 二人が足を止めた大路のそばに広がる林には、小川が流れていた。奥にある、彦名の庭の泉から続く川だが、さらさらと水音を立てる水面の上を、大陸の羽娘という大きな蝶は、大きな翅を重そうに揺らしてふわりふわりと舞っている。

 蝶の行方を追って、狭霧は林の中に足を踏み入れていた。

 落ち葉が降り積もる小川の淵を歩いて、沓(くつ)でかさりと物音を立てながら後を追うが、その蝶を見失うことはなかった。すこし薄暗い林の木漏れ日のもとでも、蝶の翅はとても目立っていた。

 でも、豪華絢爛な翅模様とは裏腹に、飛び方は危うい。すこし浮いたかと思うと失速して落ちかけて、翅が川の水に触れそうになって、慌ててまた浮いて――。

「なんだか、ふらふらとしているね。あっ……!」

 じっと目で追う狭霧の前で、あるときその蝶は水に落ちる。川の水で翅が濡れると、脅えたふうに勢いよく翅を動かすが、何度かふわりと浮きあがったものの、とうとう水面に翅を横たえ、蝶は水に浚われた。

「あ――」

 庭の泉から続くその小川は、宮の外へ向かって流れている。

 大ぶりの美しい蝶はときおりばたばたと翅を動かしながらも、木漏れ日にきらきらと輝く水に漂って、しだいに川下へと流れいった。

 呆然として見送る狭霧へ、恵那は背後から告げた。

「きっと、雌と別れた後なんですよ。雌が卵を生む支度を始めたので、逢引きを終えたんでしょうね」

「そうなの?」

「ええ、たぶん。卵を残す支度を終えると、この蝶は死んでしまうんです。卵を生みつければ、その後で雌も――」

「ふうん――」

 卵を生んだ後で弱ってしまう生き物がいることを、狭霧は知っていた。

「そういえば、雄の蟷螂(かまきり)は、逢引きの後で雌に食べられてしまうんだってね。自分の身を食べさせて、雌に卵を生む力を渡すんだって」

 卵を残すというのは、生き物にとっては、自分の命と引き換えにするほど重要なことなのだろう。

 そういう意味では、蟷螂のやり方も、雄と雌の二匹で力を合わせて卵を残すようなことで、雄の蟷螂は、それが生まれ来る子蟷螂の父の役目だと、みずから身を差し出すのかもしれない。

「いまの蝶も、同じなのかもね。だって、あんなにきれいで大きな翅をもつのって不自然よね。飛びにくいに決まってるのに。でも、雌に自分を見つけてもらうために、あんなにきれ 




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