ⅳ辘猡筏胜の溆聛护蚺钉筏郡辘取①cわいを見せた。

　簗田家の女たちも、やはり、主人とその従者たちを手厚く出迎えた。岐阜に戻る日が事前にわかっていたから、風呂を焚き上げ、野菜や魚などを豪勢に並べ、飲んべえは七左衛門だけだというのに、酒さえわざわざ手配していた。

　戦場の垢を落としきった連中は――牛太郎だけは沓掛城でこっそりと浸かっていたが、広間に集い、梓とあいりから酌を頂戴し、ささやかな祝杯を上げた。

　負傷している治郎助だけは控えたが、兄の七左衛門は弟に構うことなくここぞとばかりに飲み干していく。

　そんな七左衛門に、玄蕃允が冷ややかな視線を送る。

「あんまり飲み過ぎるな。どうするのだ、明日出陣となったら。二日酔いでいくさ場に向かうのか」

「まあ、玄蕃殿」

　太郎がなだめる。

「七左はたいそう活躍したのですから、今日ばかりはよいでしょう。七左がいなければ、父上はどうなっていたことやら。ねえ、父上」

　牛太郎は沓掛城でならず者たちにやりたい放題されたことを根に持っていて、いまだ機嫌が悪い。何も答えずに箸で料理を突っつくだけだった。

「そうなのか？　そこまでして七左は亭主殿を守ったのか」

　梓が興味津々に丸い瞳をきらめかせると、<a href="http://www.watchsroast.com" title="http://www.watchsroast.com">http://www.watchsroast.com</a>

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「いやあ、大したことじゃないですわ、奥方様。俺が旦那様をお守りするのは当然のことなんですからあ」

　ろれつが怪しくなっている七左衛門に、皆、失笑した。

　ただ、利兵衛だけは大真面目な顔でうなずいており、何やら急に腰を上げると、神妙な面持ちで一度広間を出ていき、一同が小首を傾げていたら、例の朱槍を携えて戻ってきた。

「これは、かの山県三郎兵衛尉殿の槍です」

　と、言っても、女たちにはよくわからない。

　それでも利兵衛は丸い顔を悠然とそそらせている。おそらく、たまの前で自分の手柄を大げさにして自慢する気なのだろうと、牛太郎は顔をしかめていたが、どうしたことか利兵衛が披露したい武勇伝は彼自身のものではなかった。

「殿は、誰もが畏怖する山県殿と一騎で相対し、壮絶な打ち合いを繰り広げたのです。比類なき名勝負に違いありません。邪魔が入って討ち取ることこそできませんでしたが、あの山県殿と一騎打ちを演じた殿の勇名は、織田の者だけならず、徳川や武田、果ては全国の将たちに轟くはずです」

「ほっほっほ。利兵衛くん。わざわざ持ってこなくたってよいではありませんか」

　牛太郎はすっかり上機嫌になった。利兵衛を手招いて近くに座らせ、主従となって以来、初めて酌をしてやった。

「キミが山県の馬を刺してくれなかったら吾輩もどうなっていたことやら。いやあ、本当に頭のきく男だ。利兵衛の将来はまったく明るい！」

　女たちはともかく、男たちは高笑いを響かせる牛太郎に呆れた。

「そうだ。弥八さんはどうしている。利兵衛、弥八さんを呼んでこい」

「えっ？　私がですか？」

「お前以外に誰がいるんだよ」

　利兵衛は、飯をかき込んでいる栗之介をちらと一瞥した。牛太郎はその頭をはたくと、

「一番下っ端なんだから行ってこいっ！」

「わ、私は殿のことをお守りした一介の将ですよっ！」

「じゃあ、多数決だ。弥八さんに毎度勉強を教えてもらっている利兵衛が迎えに行くか、弥八さんとは大した面識もない鉢巻きが迎えに行くべきか、決めてやる。利兵衛が行くべきだと思う奴は手を挙げろ」

　皆、一人残らず手を挙げた。梓もあいりもたまも貞もかつも。

「や、弥次殿が行くべきではないですかっ！　一番の新参者は弥次殿じゃありませんかっ！　弥次殿は設楽ヶ原で何もしていなかったじゃないですかっ！」

　利兵衛は真っ赤な顔で抵抗していたが、牛太郎がその肩を指先で叩き、目線だけで利兵衛の顔を