Nicotto Town



の間の溝は深いのう

「それだけではない、鉄砲もかなりの数じゃ」
 無論兵糧も塩も多くある。
「川に囲まれており水にも困らぬ」
「そしてその水がまた寺を護るのですね」
「壁も石垣も見事なものじゃしな」
「あれが一向宗、本願寺の拠点ですね」
「その一向宗達の数が半端ではない」
 信長は彼等に対してこれ以上はないまでの警戒も見せていた。
「しかも命を恐れぬからのう」
「しかしその一向宗にですか」
「うむ、何十倍の命知らずの者達と戦い勝ったのじゃ」
「相当な方なのですね」
「戦をして勝つことは容易ではない」
 信長は宗滴の力量を見ていた。そのうえでの言葉だった。
「だから朝倉も油断できぬわ」
「やがてあの家とも戦を」
「せぬに越したことはないがな」
 だがそうした状況になればだというのだ。
「しかしやるからには勝つつもりじゃ」
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「うむ。さて、話はこれ位にしてじゃ」
 信長は真剣な顔から笑みになり述べた。
「菓子も食うとするか」
「その菓子ですが」
 利休は菓子についても言ってきた。
「本日は堺から面白い菓子を取り寄せました」
「ふむ。どんな菓子じゃ」
「南蛮の菓子です」
 それだというのだ。
「南蛮の小麦を使った菓子ですが」
「小麦とな」
「何でもカステラというそうです」
「あれですか」 
 フロイスがカステラと聞いて嬉しそうに声をあげた。
「あれが日本でも食べられるとは」
「カステラのことを知っておるのか」
「ふわふわとした柔らかさと甘さを持つ菓子でして」
「ふむ。それは美味そうじゃな」
 信長はフロイスからそのカステラの話を聞き楽しげな笑顔になった。
「では楽しみにしておこう」
「そういえば織田殿は甘いものがお好きでおじゃったな」
「左様、実は大好きでござる」
 その笑顔のまま近衛にも答える。
「果物も好きでありますが」
「では柿や蜜柑は」
「西瓜や枇杷もでございますが」
「好きでおじゃるか」
「実は目がありませぬ」
 そこまで好きだというのだ。
「いや、甘いものはよいでござるな」
「そうですな。しかし酒は駄目でしたな」
「あれを飲むと頭が痛うなってしまいます」
「ほほほ、そうでおじゃるか」
「わしは酒には勝てませぬ」
 飲めないということも言う。実際に信長はこれまで酒を口にしたことはおろか杯として手にしたことも滅多にない。第百八話 茶の湯の南蛮人その十一

 だから茶を飲む。その彼の言葉である。
「南蛮の葡萄酒もどうやら」
「葡萄から酒が作れるでおじゃるか」
「その様ですな」
「ふむ。南蛮とは聞けば聞く程本朝とは違うでおじゃるな」
「世界にはそうした国がごまんとあるとのことです」
「ごまんとでおじゃるか」
「左様です」
 信長は地球儀で知ったことを近衛にも話す。
「世界は広うございます」
「そうでおじゃるか」
「では今は南蛮の菓子を食い」
 そのカステラをというのだ。
「甘いものを楽しみましょうぞ」
「してそのカステラですが」
 今度は山科が言ってくる。
「若しよければ帝への献上したいのですが」
「それはいいことですな」
 信長も山科のその言葉にはすぐに乗った。
「我等だけ美味いものを食っては不忠でござる」
「そうでありますから」
「ですな。それでは」
 こうしてカステラを帝に献上することも決まった。この茶の席はとかく定められたこと、わかったことが多いものになった。
 それを確かめつつ茶を飲みカステラを口にした後で信長は今都での宿にしている本能寺において利休にこんなことを話した。
「公卿の方々と南蛮の者達の間の溝は深いのう」
「近衛殿と山科殿は幾分近付かれましたな」
「しかしま 




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