最後の言葉 ~女~
- カテゴリ:自作小説
- 2017/05/17 21:37:44
~男~
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1510290&aid=64221966
彼が最後にくれた言葉。
嬉しかった。
今までにないくらい。
あれから10年たった今。
毎年、この日。
ケーキにろうそくをたてて、歌い、ろうそくの火を消す彼がいる。
今年も。
友達と一緒にケーキにろうそくをたてて、歌い、ろうそくの火を消している。
フーッ
「おめでと~!」
すぐに明るくなった。
ほんのりまぶしく感じた。
「あれ?1本、消えてねぇじゃん。」
たった1本。
消えないろうそくがあった。
明るくなった部屋の中で、うっすらと光っている。
「ほんとだ…もっかいふけよ。」
消したい。
そう思った私は、必死にろうそくに息を吹きかけた。
必死に、必死に。
隙間風がふいて、消えてしまったけど。
「そばにいるなら、姿見せてよ…」
そう弱弱しく言った彼に、姿を見てもらいたくて、隣に寄り添う。
あぁ、見えないんだ…
やっぱり見えないんだ…
ねぇ、気づいて?
ずっとそばにいるよ?
心残りがあるんだ。
一度だけでも、デートしてみたかった。
“ねぇ、聞いて?好きだよ。大好きだよ。”
病室に響いた彼の声に、私は最後の力を振り絞って言った。
「私も。もっと早く知ってればよかった。」
息を引き取り、幽霊となった私が見たのは、涙が止まらない彼だった。
感動しました。
短編かけるってすごく尊敬する…
すごい!!