Nicotto Town



とおの物語 その6 長寿村のお話

とある村の事でございます・・・

村はずれに親子が住んで居ました
母はキヨ、子供はタケといいました

その日暮らしがやっとの
貧乏な暮らしをしていました

ある日キヨが病に倒れましたが
薬代がありません

タケは山へと薬草を採りに入りました
「母さんを治すんだ」

タケは山の奥へ奥へと
薬草を求めて歩き回りました

結局一本も薬草を見つけることが出来ませんでした
がっかりするタケでした

もうすぐ日が暮れると戻ろうとしましたが
道に迷ってしまいました

「困ったことになった」とふさぎ込んでいると
少し離れたところに灯りが見えました

もう日も落ちてきたし泊めてもらおう
そう思って家の前に着きました

たいそう立派な家だ
きっと泊めてくれるだろう

「ごめん下さい」
返事がありません

何度も何度も呼びましたが
辺りは静まりかえったままでした

入り口の引き戸を開け
中に入りました

「あれぇ!」
タケは腰を抜かしそうになりました

見たこともない光り輝く山のような数知れない宝物が
玄関から見える部屋の中に置いてあるではありませんか

「いやいや、たまげた」
タケは口を開けたまましばらく見入っていました

ふっとその時タケは気づきました
それは広い玄関に枯れかかった鉢植えがありました

「あれぇ、水をやらねば枯れてしまうぞ」
タケは横に置いてあった手桶の水をいっぱいかけてあげました

待てど暮らせど誰も出てきません
「仕方ない」とタケは軒下で夜を明かしました

朝の光で目を開けるとそこは自分の家でした
母キヨも横で寝ています

「夢でも見たのかな」そう思っていると
キヨが言いました

「ありがとうよ
そんなに薬草を採って来てくれて」

タケが横を見ると大きなかごに
見たことのない草がいっぱい入っていました

「この草はどうしたんだ」とタケはキヨにたずねます
キヨは「お前さんが採って来たんだろうに」と笑って言いました

不思議な事がある物だ
そう言って草を煎じてみました

それは本物の薬草だったらしく
キヨはすぐに元気を取り戻しました

しかし驚くことが起きました
籠の草をいくら使っても量が減らないのです

このよく効く薬草の話しは
あっという間に広まっていきました

タケとキヨは話を聞いてきた人に
薬草をタダで分けて上げました

この話はお城にも伝わり
病気のお殿様が飲んだら直ぐに回復

たくさんの小判をご褒美にもらいました
これを見ていたのが隣の欲張り爺さん

さっそく山に入り込み
やはり迷子になっていると目の前に大きなお屋敷がありました

爺さんが中へと入ると宝の山です
それを、持ってきた袋に詰めます

持てるだけ袋に入れ
家を飛び出しました

山の下の方へと大急ぎで走り出しました
その時大きなつい立が袋に当たり倒れました

その時つい立がたまたまそこに居た
ねずみのシッポを上から挟み込みました

ねずみは動けなく
助けを求めもがいていました

「まぁなんとドジなやつ」
欲張り爺さんはそのままその場を立ち去りました

爺さんはふもとを目指して
いちもくさんに走りました

といっても重い宝を一杯大きな袋に入れているので
よれよれと歩いているように見えました

と袋が大きな枯れ木にぶつかりました
木は倒れ爺さんは木の下敷きになり動けません

「誰か助けてくれ~」爺さんは叫び続けました
と「ここに居たか」と声が聞こえます

「助かりたければ袋を置いていけ」
「い、い、いやじゃ」爺さんは叫びました

振り返り声の主を見てびっくり
真赤な顔に高い鼻

「天狗様だぁ~」
そこには恐い顔をした天狗が爺さんを見下ろしていました

「わ、わかったお戻しいたします
それより足が痛くて助けてくれ」

「ならば助けてやろう」
天狗はさらに恐ろしい顔をして言いました

「だがお前は宝を盗んだ罰と
ねずみを助けなかった罰を受けなばならない」

「えい!」
と叫んで天狗はいなくなりました

瞬間宝の入った袋も消えていました
同時に爺さんは自分の家の前に転がり出ました

「あ、足が・・・!」爺さんは叫びました
なんと片足が膝から半分無くなっていたのです

「なんて事だ
欲を出したばっかりに」

改心した欲張り爺さんは
タケのもとで薬草を配る事になりました

薬を仕分けしたり
病人に薬を届けたり

それが良かったのでしょう
爺さんの足は毎年伸びて3年で元通りになりました

「どこどこの国に長寿の村があるんだってさ」
いつの間にかそんな話が日本中に伝わって行きましたとさ・・・


長い
ちょっと長くなってしまいました

よくありがちな話ですけどね^^























アバター
2016/10/20 01:22
奈柚様

ありがちですよねぇ~
でも昔話って遠野物語でも似たものが多いです

神様が仕組んだ罠に
欲張り爺さんがみごとにはまった気がします

改心をすれば神様も許す
それでいいのかも

ハッピーエンドで終わらせたいです
最後はね^^

似たお話もう一つ考えてあります
そっちも書いてみます

いしころ様

神様は僕たちを見捨てない!
いつもどかで私たちを見守ってくれている

そう、短くなった足も
精進すれば生えてくる^^

もう一つ似たような話を考えました
パート2かな?


アバター
2016/10/20 00:53
昔話の御パレードって感じで読みながら楽しくなってしまいました^^
どんな展開になるのだろう~って子供のようにドキドキしてしまったよ
でも やはりそう来たか・・って感じのセカンドさんワールドに
ほっと胸をなでおろしました どのような状態でも 神様は見捨てはしない
優しくてほっと心が和む物語でした。6話まで来ましたね 
いつも楽しませていただいてありがとうございます(^^)/
アバター
2016/10/19 23:06
ありがちかもしれないけど
やはりセカンドさんらしいお話ですよ^^

欲張り爺さんはねずみを助けることも出来たのにしなかった
だから二重に罰を受けることになってしまった
けれど 
足を無くしたことによって 自分を見つめなおすことができた
このお話は
いつでもどこかで改心できる って事のように思えます

たぶんこの世の理ですね^^



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