雨の中に
- カテゴリ:小説/詩
- 2024/03/26 00:01:08
霧雨に煙る坂道を
傘も差さず歩く私たち
狭い闇に包まれ
すれ違う人にも気付かない
二人の呼吸は重なり合うことは無く
それでも無言で歩いていく
想いの一つ一つが
剥がれ落ちていく
音もなく
そう
全てが消えてしまったのだ
私たちは消えてしまったのだ
街灯の光が鈍く路上に滲む
濡れた路上に
私たちの影はもう映らない
それでも二人は歩いている
雨の中を
愛が消えてしまったのに
冷え切った空気が
そっと頬にあたる
二人の息が白く抜けていく
静かに音もなく
明日も今日と同じ雨
しんみりと・・・
雨の日がこんなに楽しいと
誰が教えてくれたのだろう
開いた傘の露先で
私の傘を突っつくあなた
振動が私の傘に伝わる
それはあなたからの伝言
何を伝えたいか
ほのぼのと想像をする
今日は雨だけど
心の中は晴天
目の前の信号機が赤になる
舗道にたたずむ私たち
電車が来ちゃう
早く青にならないかな
それともこうして
一緒に立っているのも良いかな
大切なのは
同じ時間を過ごしていること
新しい発見
雨にも感謝だよ
あっ青になった
待って
ちょっと先に行かないでよ
なんて楽しい感じもいいかな
どちらが本当の自分なのか?
浮かぶものはうかびます^^
確かに!
両方とも自分ですよね^^
続けて書いたのですが
心には明暗が存在しているみたいですね
雨の音が心に刺さるのか
心に弾んでいるのか・・・
《雨》はいろんなシチュエーションを思い浮かべさせてくれますね。
どちらも本当の自分だから、楽しいのかもしれません。