【源氏?】クロスオーバー 第九章 青藍童子
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/11/15 23:08:17
「こんな幼い姫に、大人が寄ってたかって……怖かったでしょう」
わたくしが良く叱っておきますから、大丈夫ですよ、と宥めるように撫でられながら、深雪は内心で呟く。
ごめんなさい。私、もう17歳です。
◆◆◆
柔らかな物腰に、隠しきれぬ才覚を感じさせる彼女は九重陰陽助と名乗...
「こんな幼い姫に、大人が寄ってたかって……怖かったでしょう」
わたくしが良く叱っておきますから、大丈夫ですよ、と宥めるように撫でられながら、深雪は内心で呟く。
ごめんなさい。私、もう17歳です。
◆◆◆
柔らかな物腰に、隠しきれぬ才覚を感じさせる彼女は九重陰陽助と名乗...
潜る、潜る、潜ってゆく。
沈む、沈む、沈んでゆく。
深く、深く、目蓋の裏の闇その奥へ。
落ちる、落ちる、端境を越え縁(えにし)を繋ぎ。
眠りの向こうで誰かの声がする。
来よ、来よ、来よ――
『来てはならぬ』
◆◆◆
階段を二段飛ばしで駆け上る。
途中、驚いた顔で道を空ける生徒たちに「す...