それから4回目の冬が巡って来た。
佳は鎌倉の七里ガ浜にいた。
遠く海をじっと見つめていた。
あの時と変わらない優しい日差しと
波の音が心に響いてくる。
冷たい風が頬に当たった。
「暖めてあげるから」
そう言って彼は一人日記帳を強く抱きしめた。
気が付くと一匹の子犬が
佳の隣に座っていた。
...
それから4回目の冬が巡って来た。
佳は鎌倉の七里ガ浜にいた。
遠く海をじっと見つめていた。
あの時と変わらない優しい日差しと
波の音が心に響いてくる。
冷たい風が頬に当たった。
「暖めてあげるから」
そう言って彼は一人日記帳を強く抱きしめた。
気が付くと一匹の子犬が
佳の隣に座っていた。
...
さてさて二人は再び鎌倉へGO!
リニュアル版です~
「ごめん、待ったぁ~」
佳が息を切らして走って来た
品川駅の東海道線下りホーム先端
真美が腕を組んで待っていた
「連絡もしないで私を20分も待たせるなんて
いい度胸してるじゃん」
「ちょっとね。緊張してトイレにね・・・」
佳は中腰になり座...
「ねぇ、覚えてる」
「2年前この席に座った事」
「そうだっけ?」
「次の日、鎌倉へ行ったでしょ」
「ふ~ん・・・」
佳はスマホをいじりながらそっけなく言った
「あたし、帰る!」
真美は語気を強め吐き捨てる様にそう言った
「エッ」
彼はあわてて組んでいた足を伸ばした
テーブルの角に膝が当た...
・・・・人が真剣に話しかけているのに
スマホばかり見て全く聞いてないんだから・・・
「ば~か!」
・・・でもこうして一緒にいる事が
大切な時間なのかも・・・
真美は勝気な高校生
フライドポテトを食べながら何か言いたげだ
そう今日は連休の前日
彼女は午後の最後の授業をサボった
そし...
花を手向ける
ふた束の白い菊の花を
貴方へと
今
想いの香りが
過去へと流れていく
白い花びらは
遠い月日を哀しく吸い上げ
更に更に
白く白く染まっていく
涙が静寂の中に
そっと流れ落ち
そのかすかな音を
吹く風が拾っていく
ああ
潮の香りがする
空はあまりに広く
青く強く染まってい...