【源氏あそび(?)】みんなでごはん(中)
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/11/26 05:56:53
前話: http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=684324&aid=65257009
ほかほかと足裏を床暖房で温めながら、幼なじみ三人衆は頭を寄せ合ってメニューをめくる。
白藤は当初の予定通り【炊きたてごはんのおにぎりセット】。
三種類の具材のお...
前話: http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=684324&aid=65257009
ほかほかと足裏を床暖房で温めながら、幼なじみ三人衆は頭を寄せ合ってメニューをめくる。
白藤は当初の予定通り【炊きたてごはんのおにぎりセット】。
三種類の具材のお...
香雪屋の季節限定メニュー、【炊きたてごはんのおにぎりセット】が食べたい。
National Geographicを読みながら幼なじみがぽつんとこぼした呟きに、
生徒会室に居たもう一人の幼なじみと素早くアイコンタクトをかわした。
(深雪ちゃん、プランBで)
(ラジャー)
じゃあ、行きましょうか。ええ、...
「こんな幼い姫に、大人が寄ってたかって……怖かったでしょう」
わたくしが良く叱っておきますから、大丈夫ですよ、と宥めるように撫でられながら、深雪は内心で呟く。
ごめんなさい。私、もう17歳です。
◆◆◆
柔らかな物腰に、隠しきれぬ才覚を感じさせる彼女は九重陰陽助と名乗...
潜る、潜る、潜ってゆく。
沈む、沈む、沈んでゆく。
深く、深く、目蓋の裏の闇その奥へ。
落ちる、落ちる、端境を越え縁(えにし)を繋ぎ。
眠りの向こうで誰かの声がする。
来よ、来よ、来よ――
『来てはならぬ』
◆◆◆
階段を二段飛ばしで駆け上る。
途中、驚いた顔で道を空ける生徒たちに「す...
挑みかかる海水が船の腹を叩き、盛り上がっては砕け、押し寄せては崩れ、白い泡を散らす。
波は目が覚めるような碧(みどり)で、水平線近くはとろけるような碧(あお)。
碧と碧が溶け合う涯(はて)からおしよせる波を櫂でいなしつつ、
アリオンは潮焼けた顔を今しがた去ったばかりの方角へじっとふり向けてい...