私が子供の頃、冷え込む冬の夜には「ゆたんぽ」が出てきた。冷たい布団に潜り込んで足を伸ばすと、ふっと柔らかな空気に触れる感触をまだ覚えている。
その湯たんぽは陶器でできていて、やはりぎざぎざがあって、木製の栓をはめ込む口がついていた。
後で、ブリキ製の湯たんぽを見て、「陶器で作るのは難しくて、お手...
晴れ 時々 ウツ
私が子供の頃、冷え込む冬の夜には「ゆたんぽ」が出てきた。冷たい布団に潜り込んで足を伸ばすと、ふっと柔らかな空気に触れる感触をまだ覚えている。
その湯たんぽは陶器でできていて、やはりぎざぎざがあって、木製の栓をはめ込む口がついていた。
後で、ブリキ製の湯たんぽを見て、「陶器で作るのは難しくて、お手...
うんうんと聞いているうちにふと「こいつは確か去年死んだはず!」と思い出す。
すると相手は「そうなんだが、君を友と思って頼みにやってきたんだ。これで安心した、ではもう行くね!」と・・・
あたりには何とも言えない悪臭が漂い、友の気配が消えた後も部屋の隅には人の形がある。明かりを持っておそるおそる近寄る...
夏と言えば怪談。いろんな怪談があるけれど、小泉八雲の怪談もすごいけれど、どれが一番好きかと聞かれたら、たぶんこれをあげる。
視覚的に、美しい女が華やかな灯籠を下げて、おつきの小女を従え、夜、恋しい男を訪ねてくるというのが良い。
だが、この男はいただけない。理想の女が見つかったのに、それが死霊であ...
3年飼っていたらんちゅうと、出目金。突然死んでしまった。
外見には何の変化もなかったので、食欲が落ちたのはわかっていたけれど、水替えだけで過ごしていた。塩でも入れてみれば良かったかも。
長く飼うと愛着もあるし、かわいそうなことをしたなと思う。小さいのは植木鉢の隅に埋め、中間は、ごめんねと言いながら...
私の育った街は広島市。瀬戸内の穏やかな海に面したところ。
釣り好きな父に連れられて、休日はしょっちゅう海に行っていた。
海は面白い。潮だまりにはいろいろな小さな生き物がいて、見飽きない。バケツにすくい取って、遊んで、またはなしてやったり。
落ちている貝殻を拾い集めるのも楽しい。きらきらと輝く「ナ...