Nicotto Town


ぽいじゅんのぽじてぃぶぽんちょ


回想記 その1

私は子供の頃まったく読書をしませんでした。
じっとしてるよりもどちらかというと身体を動かすのが好きだったので。

『誰が全員分のランドセルを背負うか』を賭けて
じゃんけんしながら帰った小学校の帰り道。
玄関にランドセルを放り出して公園へ駆け出し
暗くなるまでボールを追いかけたり、鬼ごっこで人を追いかけたり。

部活動と塾通いと
甘酸っぱい恋愛でそのほとんどが塗りつぶされた中学時代。

本を読み出したのは大学受験を控えた高校三年生の頃です。
私の実家には屋根裏部屋があったのですが
ある夜、受験勉強に疲れ屋根裏部屋にこもってぼーっとしてると
ふとある本が目に留まりました。
これまでそこに本があることは、何度も見ていて知ってたはずなのに
まるでたった今、その本が突然現れたかのように。

衝動に駆られた私はその本を手に取り
パラパラとページを繰り
「気分転換になるかな」
程度の軽い気持ちで読み始めることにしました。
私の価値観、人生を大きく変えたであろうその本を。

それが司馬遼太郎著「竜馬がゆく」です。
文庫ではなかったので恐らく父親が若かりし頃買い求めた物だったでしょう。
それ以来寝る間を惜しみ
起きている間は生理行動以外、四六時中屋根裏部屋の本を
手当たり次第に貪り読みました。
気付けば知らず知らずのうちに
当時反発していた父親の足跡を辿っていました。

お陰で大学受験は失敗、視力は激低下。
他にも失ったものはいろいろありました。

しかし断言できます。
あの時読書漬けの一年がなければ今の私はいなかっただろうと。
精神的にも物理的にも。

実体験のみを通してでは自分のことしか分からないでしょう。
読書のみでは行動力が伴わなくなるでしょう。

何か一つだけが大切
なんてことはないということは改めて言うまでもありませんが
人はよくそれを忘れてしまう。
もちろん私も。

太陽の眩しさも
月の寂光も
どちらもかけがえなく、美しい。

アバター
2009/02/03 01:45
須賀敦子さんの「コルシカ書店の仲間たち」を拝借中・・・
延長お願いしますっ!
アバター
2009/02/03 00:45
そうそう、本は何を持っていかれましたか。
ちゃんと返しておいてね^^
アバター
2009/02/02 22:11
最初黒猫手毬さんの記事にコメントとして書いていたのですが
長くなりそうだったのでネタとして頂戴しました(ノ∀`*)

私は縁というものを大事にしているつもりです。
運命とも言える
まるでそうなることが予め決められていたかのような出来事。
盲目的にそう信じることは危険も含んでいるのですが、
不思議なことは数多く起こります。

確かに目先の善し悪しだけではわかりませんよね。
今の苦痛もきっといつかの自分の為にある試練だと信じ
諦めずにがんばることが大事なのかもしれません。

大丈夫です、きっと私は。
ご心配ありがとうございます。
アバター
2009/01/30 21:52
少し留守をしてました。ブログの返事をしていたら
遅くなりました^^

出会いというものがあります。
自分を待っていてくれたと思うものに。
たとえば、
本であったり、人かもしれず
物や、動物や、風景だってこともあります。

嬉しいものばかりではなく、悪いこともあります。
それでも、それは、わたしに出会うために
そこにあったと思える、不思議な運命を感じさせ
しばらく心に居座ってしまいます。
長い目で見れば
良かったものが悪い結果をもたらし
辛かったことが、何かに結びつくこともあります。

大事なことはあきらめないことではないでしょうか。
いろんなことを、
まだ、できるって。

辿れる親がいるのは幸せなことです。
肉親と縁の薄いわたしは、そう思えてなりません。
だからといって、不幸なわけではないのですよ^^;

片意地をはいっていないで
一度、実家に帰ってみてはいかがですか^^
片意地もはれるうちはまだ、幸せなんですが。

失ったと思ったものは、いつか、違う形をして
戻ってくることもあります。

読書とは経験で、悩み苦しんでいるのは
自分だけではないと知る方法でもあります。
行為自体は孤独にみえても、
あらゆる人を心の中に受けれる作業でもある
そういう一面があるように思います。

どうしたの。じゅんさん^^



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.