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夢酔独言(ゆめよいひとりごと)--勝小吉


勝小吉は勝海舟の父である。
前書きに依れば、勝小吉という人は生涯不良で通した御家人崩れの武芸者という。
「いつでも死ねる」という、無頼であってしかも前に向かう崇高な魂とでも呼ぶべき見事さを兼ね備えている。
とある人々にとっては、勝海舟よりもはるかに偉大な人物だとさえ感じるのではないだろうか?

東洋文庫から出ている「夢酔独言」を紹介してくれたのは、異才大森○○氏(文学博士)で、少々難解なものをあまりにさらっと言われたので、つい読んでみますと答えてしまったのだった。
大森氏は同年なのだが、私ごときが束になっても相手にならないくらいの深い知識を持って大学で教えていた方だ。
私は20歳代から彼の文に惚れ込んで、30歳代でようやく生涯一度だけ願いかなってお会いしたときに聞いたのだ。
それで、30年ほども彼の影響から脱することができない。
そのような方に出会ったと言うだけでいかに人生が豊かになったことだったろう。
幸せなことである。

この「夢酔独言」についても、同様のことがいえるだろう。
母になる女性に、父となる男性に、是非とも親とは何かというその一点についてだけで良いから読んでみていただきたい本だ。
近代日本を作ったなかの一人として勝海舟の名は高いが、この父あってのものと納得できるだろうし、子供を育てることがどうあるべきかということが腑に落ちるだろう。

逸話を紹介したいとも思ったが、本の紹介だけにとどめよう。
楽しみが少なくなる。
江戸弁で訛りも強く、文体もめちゃめちゃではあるが、その魂の崇高さは古今稀とのみ言っておこう。

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2010/09/24 12:24
そらそうだ。
一般レベルの話に研究者レベルでの議論を仕掛けても、どちらに益があるわけでもなし。
とくに、なんだな。
ある種の男にとっては、あこがれる存在になってしまうくらいの無頼というのは、例えば稲見一良と重ねると強いが上の優しさとわかってくる。
堪らない世界といえるよ。
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2010/09/24 11:03
書き込みしたいところだが、中途半端な書き込みはしたくない。
つーわけで真剣に書くとコメント欄が全滅するのでやめておく。
それは読んだな。高杉小忠太春樹の次の次の次の次ぎくらいに好きだ。
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2010/09/23 20:59
それはぜひ。
なにか、親というものの心構えと言うような部分があちらこちらにあるのです。
古書店で比較的安価で売られていると思います。

ある若い医者の結婚式に行ったときに、高名な教授がこの本の中から引用して「人の有り様」に触れたことがあって、読む人はそれなりのものを読むものだと感心したことがありました。
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2010/09/23 20:42
読んでみたいです。読みます。
海舟はよく知られてますが勝小吉はあまり知られてませんね。
私も知りませんでした。
子育ては終わりましたが、私はよい父で有ったか・・・。



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