読書ノート/桃のデザートには隠し味
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/10/14 12:19:49
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チリの落盤事故。
無事全員救出出来て良かったです^ ^
良太郎、一冊の本もないところに三ヶ月も閉じ込められたら…
ひぃいいいいい!!!!
さて。
本日の読書ノート
「桃のデザートには隠し味」リヴィア・J・ウォッシュバーン
ランダムハウス講談社の美味しい文庫ですw
食べ物とミステリが密接に関係している文庫シリーズなのかな?
コーヒーショップの女主人とか
今回のお料理自慢の奥様とかが主人公のお話が多い様です。
ヒロインは60歳代の元歴史教師の未亡人。
旦那様を亡くされ、子供は独立し結婚。
結婚当初たくさんの子供達に囲まれる生活を夢見て買った
大きな家で下宿を始め…という舞台です。
今では元教師のご婦人達と
わいわいがやがや楽しく暮らして居るのですが、
料理自慢の下宿人と今度ピーチデザートコンテストで
対決する事になり…。
と言うわけで歳をとるだけで
上品になったり物分りが良くなったりするわけは当然無く。
表面は穏やかにしかし心の中ではライバル心剥き出しで
火花を散らす奥様達。
が…殺人事件に巻き込まれ…。
結果は哀しいものなのですが…
なんだろう…酸いも辛いもかみ分けた年齢の人だからこその、
したたかな強さを感じます。
がむしゃらな我慢とか忍耐とかとはまた違う、
なんだろう…
そう。
先日読んだ「隠蔽捜査・疑心」の中で、
「とあるお婆さんが一人の雲水の世話を20年した。
飯の世話などを若い女性にさせていた。
ある時、お婆さんは雲水を試そうと
雲水にその女性に抱きつかせ、
どのような気持ちですか?と訊ねさせた。
すると、
私は木石の様なもので何も感じません。と雲水が答えた。
それを聞いたおばあさんは、
なんという事だ。こんな俗人を20年も世話したのか!!
と激怒して雲水を住まわせていた庵から追い出し
庵を焼き払ってしまった。」という話から
女性に心が動くのは、当たり前の事で、
それを認めない。という事は自分の至らない部分から目を逸らしていると言う事だ。
自分の心が動いている事、至らない事から目を逸らさずにその上で自分を戒めねばならんのだ。
と言う様な事を言ってたのですが、
※本当はどういう意味なのかは本を読んでね。あくまでも良太郎の理解なので怪しいですw
それと似てる気がしました。
誰かを恨みに思ったり怒りに駆られる事は
当たり前に誰にでもある感情で、
誰も嫌わず、誰にも嫌われずに生きていく事は無理だけれど、
そんなどす黒い感情が自分にある事から目を逸らさずに、
だがその感情に囚われ道を踏み外す事が無い様に生きていこう。
そんなしたたかさを感じました。
どうしても許せない人がいる人がいたから
殺人事件が起きた訳ですが、
主人公の奥様はごく普通のどこにでも居る奥様だけれど、
だからこそ、この歳になられるまで、普通に
いろんな感情を飲み込んで来られたのだろうな。。と…
色々考えさせられた作品でした。
読後感は★★★★☆
星四つ。
ひとつ削ったのは…残念ながらミステリとしては…ちょーっと物足りなかったかな?
でも良い物語でした。
あ・後ひとつ。なんだか訳が怪しいところがwww
編集者さんはチェックしてないのかなぁ…?
まぁでも、そんな小さな傷も笑い話でなかった事に出来る位に
良い物語でした。
続巻の「かぼちゃケーキを切る前に」が楽しみです。
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