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読書ノート/完全犯罪に猫は何匹必要か



「完全犯罪に猫は何匹必要か」東川篤哉

結論から言います。
新しいv
そして面白いw
警察と探偵が出てくるとき、
たいていどっちかが間抜け役ってのが多いと思うのですが、
間抜けっていうと言葉が悪いですが、
読者と一緒に「ナンデダロー?」と
犯人の施したトリックに翻弄されて、
首をかしげる人と、
残された手がかりを分析して推理する人とに別れると思うのですが、
今回のこの作品。
どっちも一人二役w
警察も探偵もボケるんだけど、
ちゃんと推理もする。
しかも。
うまーい事、分業するのです。
思えば、警察には警察にしか手に入らない情報もあるでしょうし、
非警察には非警察にしか手に入らない情報もあるでしょう。
それぞれがひとつの事件を違う方向から眺めて、
事件を解決する。
同じ犯人にたどり着いたとしても、
その根拠は違っても当たり前だったのでは!!!
と目からうろこの面白さでした。
今までは、そーいうのって、
真面目に捜査する警察、
そして探偵が…酔っ払ったり、世間話したり等、
犯人の目前で目障りにウロウロしてると、
どこからともなく犯人や事件の真相をとく鍵になる人物が、
親切に現れて余計な事をするな。とか言ってくる。
というのが良太郎が今まで読んでいた作品なのですが、
ちゃんと捜査する。
が。
ボケまくる。
なのに、
探偵の頭の中でいつの間にか
調査されたピースは組み立てられ、
見事事件解決のパズルは完成する。
という点で良太郎にとっては
新しかったし面白かったです。

先日読んだ短編「殺人現場では靴をお脱ぎください」では、
くどい!!!
と感じた筒井康隆の「富豪刑事」的なアクのあるギャグも、
長編で読むと筒井康隆の富豪刑事がそのアクを飲み込んでいた様に、面白かったです。

読後感★★★★☆
星四つ







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