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読書ノート/アンティーク鑑定士は見やぶる



読書ノート 

「アンティーク鑑定士は見やぶる」エミール・ジェンキンス
ランダムハウス講談社

あらすじ。
独り暮らしの老女が突然死。
殺人?事故死?と死因が疑われる中、
残された財産の処分の為に鑑定を頼まれたヒロイン。
ところが…生前の住人の人柄を知るヒロインからすると、
とても故人の持ち物とは思えない様な、
素晴らしく、高価なサモワールが出て来たことから
事件に巻き込まれる。
物語の各所にインターバルとして?
ヒロインが新聞に連載しているという
「骨董相談」コーナーも面白いです。
ロマンス?ありーの、
骨董業界の内幕ちらり。ありーの、
掘り出し物登場?な瞬間とはこうして訪れる…的紹介ありーの、
ちょっと哀しい犯罪者達の物語ありーの…と、
てんこ盛りの物語で、とても面白かったです^ ^

ランダムハウス講談社の作品を何作か読んできましたが、
(料理自慢の未亡人と下宿人達の物語のシリーズと、離婚したコーヒーハウスの店主の物語のシリーズ)
この作品が一番好きかも。

ロマンス?はまだ予感程度で、
ヒロインは二人の素敵な男性と出会って、
私にとって彼は、アシュレイ?そして彼はレッド・バトラー?と、
風と共に去りぬになぞらえて、
こっそり心中でどぎまぎしている処…というのが、
積極的に、あっちともこっちとも関係を持つ***と比べて
微笑ましくて好感が持てる処と、

心優しいヒロインが、
犯罪者に対してですら、
きっと色んな事情があったに違いないのに!!!と、
罪に対して断固たる態度を取ろうとする
好意を持っていた男性や刑事達に対して
怒りを感じ、
次いで自分のその怒りが大人の判断として
甘過ぎるものだった…でも…っ!!
と心乱れる様子が、
初めて犯罪と対峙しなくてはいけなかった女性の
当然の戸惑いとして凄くリアリティがあって良かったです。

そしてそうやって犯罪を厳しく見つめる眼と同時に、
犯罪に手を染めてしまう犯罪者達の悲しさも覗かせてくれて、
充実した読み応えの作品でした。

読後感★★★★☆
星四つ。
背表紙のあらすじにミステリ。と
無ければ、文句なしの5つだったのですが、
ミステリというには謎解きの面白さに気付けなかったので…。
でもミステリだと思わなければ文句なしの面白さでした。






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