Nicotto Town


るもりゅう の 大好きな 仲間たち


若水


元旦には、水を汲み、口をすすぎ、手や見を清めて、煮炊きをして、正月の雑煮などにして食べる風習がある。
私が生まれた頃には、祖父母ともにもう居なかったのだがが、その家の前には湧き水から引かれた樋を通じて水が流れていて、囲炉裏の周りに集まって大晦日を過ごしていた大人たちが、除夜の鐘の終わる頃に、その水を汲んで、正月を迎えるのだった。

その家にしても江戸時代の後期に建てられた小庄屋の百姓家で、黒光りするような板の間から下りた土間には竈があって、そこで大鍋で作られ、囲炉裏に運ばれた雑煮の具に、焼いた切り餅を放り込んで食べるのだったが、取り忘れた餅が溶けてしまって、最後にはとろとろのかゆ状になったものを、汲み置いた若水で薄めて、食べるのが好きだった。
囲炉裏の火が、この世のものではない妖しい雰囲気を醸し出すのがおもしろくて、つい囲炉裏に拾ってきた生木をくべると、部屋中が煙で充満して、一旦閉めた戸を開けると、冷たい空気が一気に入ってきて、すーっと煙にしょぼついていた目が楽になる。
いたずらをしても、大人たちは笑い通し笑って、大声で談笑していた。

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2011/01/01 19:27
水道という便利なものが普及して、若水汲みなどは行われなくなってしまったのは、何となく残念な気がします。
漢字能力はないから…
アバター
2011/01/01 15:35
mixiの漢字能力にこれ出てた
簡単だからめだるとれるよー



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