若水
- カテゴリ:日記
- 2010/12/30 17:03:01
元旦には、水を汲み、口をすすぎ、手や見を清めて、煮炊きをして、正月の雑煮などにして食べる風習がある。
私が生まれた頃には、祖父母ともにもう居なかったのだがが、その家の前には湧き水から引かれた樋を通じて水が流れていて、囲炉裏の周りに集まって大晦日を過ごしていた大人たちが、除夜の鐘の終わる頃に、その水を汲んで、正月を迎えるのだった。
その家にしても江戸時代の後期に建てられた小庄屋の百姓家で、黒光りするような板の間から下りた土間には竈があって、そこで大鍋で作られ、囲炉裏に運ばれた雑煮の具に、焼いた切り餅を放り込んで食べるのだったが、取り忘れた餅が溶けてしまって、最後にはとろとろのかゆ状になったものを、汲み置いた若水で薄めて、食べるのが好きだった。
囲炉裏の火が、この世のものではない妖しい雰囲気を醸し出すのがおもしろくて、つい囲炉裏に拾ってきた生木をくべると、部屋中が煙で充満して、一旦閉めた戸を開けると、冷たい空気が一気に入ってきて、すーっと煙にしょぼついていた目が楽になる。
いたずらをしても、大人たちは笑い通し笑って、大声で談笑していた。
漢字能力はないから…
簡単だからめだるとれるよー